タクシー転職大学では各項目の授業を質疑応答形式で行った内容を記事として公開しています。転職の参考にしてください！

■ひまわり交通の給与形態

ー給与形態を教えてください

村木教授ーA型賃金とAB型賃金の2種類あるんですが、基本的にはA型賃金を採用しています。

ーA型賃金の詳細は？

村木教授ータクシードライバーの賃金形態というのは、売上に対して決められた歩率で給料が決まります。A型賃金というのは売上もベースとしてはありますが、歩率以外に定昇給だったり手当が売上とは別にあります。俗にいう営業のサラリーマンの給与体系に近い形態です。

ー手当の内容は？

村木教授ー祭日手当、家族手当、年功給、定昇、修理手当、乗り換え手当などです。

ーAB型賃金の詳細は？

村木教授ーAB型賃金は売上に対して、例えば売上の半分が月額の給料になり、ボーナスに関しては売上の5％分をストックして4ヶ月に1回支給する形で純粋に売上に対して歩率での支払いがベースになる形態です。

どちらの賃金形態にもメリット、デメリットはありますが平均してA型賃金の方が給与に波が少なく安定しています。逆に波はあるけどAB型の方が良いという方もいます。

ータクシー業界ではAB型かB型が多いと聞きますがB型を採用していない理由は？

村木教授ーA型のメリットが大きすぎて乗務員さんの賃金を考えた時に絶対数としてA型の方が生活を支える基盤としては望ましかったからです。ひまわり交通で長く働いて頂きたいということも理由としてあります。

A型賃金で働くと責任感が強まるというメリットもあり、AB型だと歩合がメインなため、ある程度の売上が上がったら今日はもうやめようとか、この日は休んじゃおうってなってしまうので、A型に関してはしっかり時間消化をするというのが前提にあるので、いくら売上が上がっていようが拘束時間というのが発生し、途中でやめずに責任感を持って頑張る方が多いですね。

A型は『時間カット』といって基本給がある中で、所定労働時間を働かないと基本給がカットされます。例えば途中で早退して半勤しかしなかった場合、休んだ半日分は時間給で基本給からカットされる仕組みです。

そういった仕組みがあるので、責任感が生まれるんだと思います。

縛られずに気楽に働きたい方はAB型の方が向いているとは思いますね。例えばお子様が小さいなど家庭の事情がある方はAB型だと、勤務中でも何かあった時に早退しやすいので良いかもしれませんが、やっぱり真面目にタクシードライバー1本で食べていくという方はA型を選択する方が多いです。

ーAB型が対象になる方は？

村木教授ーひまわり交通の定年は64歳なんですが嘱託といって65歳以上の方やその他事情がある方はAB型になります。

■タクシー乗務員の平均売上

ー乗務員さんの1日の平均売り上げはどのくらいですか？

村木教授ー繁忙期とか時期にもよりますが今のコロナ禍の状態ですと隔日勤務で37,000円くらいです。コロナ禍じゃない時で48,000円くらいです。

ー1日の乗車回数は？

村木教授ー平均で30～40回くらいです。主に川崎エリアでの営業になります。

ー1回あたりの乗車単価はどのくらいですか？

村木教授ー平均で1,200円～1,600円くらいです。

ー神奈川のタクシーの初乗り運賃は？

村木教授ー500円です。

ー勤務日数は何日ですか？

村木教授ー隔日勤務は所定乗務日数が月間12乗務でプラス1日公休出勤が可能になります。日勤は月間24日で公休出勤をプラスすると26日になります。

ー平均年収は？

村木教授ー年収ベースでいうと400万円前後くらいです。トップドライバーですと700万円くらい稼ぎます。

ー給料の締め日、支払日は？

村木教授ーシフトによって違うんですが締め日が17日か18日で月によって変わります。支払日は当月の25日払いです。支払い方法は現金手渡しです。

ー現金手渡しというのは珍しいと思いますが何か拘りがあるんでしょうか？

村木教授ー昔のイメージですけど現金を扱う仕事じゃないですか、自分の売上をその月で締めて現金で支給することでより自分が今月頑張ったな、ダメだったなって感じやすいと思うんです。現金で支給することでよりお金の大切さを感じてもらいたいという気持ちも込めています。

牛丼の吉野家は、今でも券売機を使わずに現金で会計しているじゃないですか。でも券売機を使った方が当然生産性は上がりますが、直接現金を頂くことで有難みを感じること、コミュニケーションが取れることが大事であるからこそ今でも継承している、という記事を読んだことが有りまさにそんなイメージです。そういった事は大事だなと感じました。

■稼ぐのに新人もベテランも関係ない！

ー乗務開始したばかりの経験の少ない時と経験が1年、2年ある方で売上はどのくらい変わりますか？

村木教授ー今は殆ど変わらないです。会社の無線に関してはベテラン乗務員の方が経験値は高いですが、結局アプリを導入している段階で基本的に自分で流して考えて出来るかどうかなので、新人だろうがベテランであろうが変わらないです。

なので新人だから稼げないと言うことはありません。ひまわり交通の新人乗務員さんで、まだ2ヶ月の経験しかありませんが既に売上がトップクラスの方もいます。ただベテラン乗務員さんの方が地理を知っているため、効率は良いです。地理を知っていた方が稼ぎやすいのも事実です。

ー有給休暇について教えてください

村木教授ー有給休暇に関しては当然法定通りで自由に取得が可能ですが、弊社の繁忙期といわれる時季変更権が認められている部分があり、正月三が日は皆出社しようと決まっているので、そこの2乗務の間は有給休暇は取れませんが、その代わりにお年玉をあげています！休みたかったら公休出勤やシフトをずらして休んでもらうようにしています。

ー有給休暇の際の給料はどう計算するんですか？

村木教授ーA型賃金の方は基本給が20万円なので、それを12乗務日で割ると1日大体16,666円くらいになります。
その基本給分の補填と歩合が関係しているので、その当月歩合の一部をプラスする感じになります。AB型賃金の方は直近3ヶ月間の平均売上から算出します。

タクシードライバーは歩合制なのでデメリットもありますが、歩合が無い毎月決まった給料だと頑張れなかったりすることもあると思います。歩合だと今月ピンチだなと思ったら、その月は本気を出して頑張ればその分給料を増やすことができます。

頑張っているのに同じ仕事をしているというだけで、頑張っていない人と同じ給料というのは不平等だと思いますね。歩合給は自分の頑張りがお給料に反映されるのが魅力ですね。





※ひまわり交通株式会社社屋