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2007年07月17日

青森で初の就職相談会を開催しました

清水弘一氏の挑戦

青森で初の相談会

   規制緩和5年。その間、新規許可申請や増車による供給過剰が社会問題になる一方、タクシー業界内では深刻な乗務員不足に陥っている。とりわけ、日本一のタクシーマーケットである東京都内は、一稼動六万円前後の営業収入を誇り、他地区の事業者から見れば、儲かって仕方がないと思えてならないが、実態はちょっと異なる。 都内タクシーの平均稼働率の実態は八○%前後である。

   平均ということは、稼働率九○%を確保している事業所もあれば、七○%の事業所もあるということ。そして九○%の事業所が仮に二社あったとすると、六○%の事業所が一社でこれも平均八○%ということになる。

   これを机上の空論というなかれ。都内でも六○%を割り込んでいる事業所が、現実に既存大手や中堅事業所に存在しているのである。間接部門のコストが他地区に比べて高いところに稼働率が六○%を割り込んだのでは、いかな日本一のタクシーマーケットといえども経営採算は合わない計算だ。 タクシー乗務員の確保問題は、いまや完全に乗務員サイドの売り手市場に変貌している。

   そんなタクシー労働市場に大きな様変わりの中で昨年誕生したのが、タクシー乗務員の紹介斡旋専門事業者である株式会社日本総合ビジネスである。いまや契約事業者は都内だけで五十社を超えるまでに急成長し、時代の寵児として脚光を浴びている。同ビジネス社長の清水弘一社長の今にスポットライトを当てるため、青森へ飛んだ。

ドミノ現象で傾斜

   日本総合ビジネスは昨春、厚生労働省からる有料職業紹介業の許可を受けた。 それからわずか一年余で都内の六分一強に充当する五十社を超えるタクシー事業者が同社と契約している。 その訳はおおむね次の通りである。

    日本総合ビジネスの売りは、インターネット上にタクシー就職情報専門サイトを開設して、 応募者を希望するタクシー会社に斡旋するというもの。このサイトに月間百六十人以上が応募してきたのだから、 タクシー会社にすればリクルートの就職情報誌「ガテン」に高い広告料を支払い、 一体何人が応募してくるのか分からないミズモノの世界より、一定額の斡旋料は支払うものの確実に乗務員が確保できるため、 乗務員不足にあえぐ各社がドミノ現象で傾斜していったのは当然の成り行きである。

    それから一年余が経過して都内で五十社以上と契約するに及んで、同社の清水社長は考えた。 契約先のタクシー事業者の期待に応えるには、今のサイトを充実し、さらに複数の関連サイトを立ち上げてもいずれ限界が来る、と。 この限界をクリアしていく一つの答えが地方都市での「就職相談会」の開催であった。

なぜ青森なのか?

   清水社長は、「青森は、全国でも就業率下から二番目。 そして提携会社に意見を聞いても青森がいいというものだったので…」とケムに巻く。

    が、誰が見てもこれは明らかだ。東京でタクシー乗務する「就職相談会」を青森で開催したのは、 青森が本州最北端だからではないか。

   もちろん就業率が悪く、 提携会社も青森出身の乗務員が結構いるということもうなずけるが、何より青森で成功すれば、 青森よりも東京に近い岩手、秋田、宮城、山形、福島、新潟の各県でも通用するという判断である。

青森ホール

    同社はインターネットのサイトを武器に、これまで急成長してきた。特徴的なのは、 月間百六十人前後の応募者の年齢構成である。三十代二十五%、四十代三十二%、五十代二十九%、 六十歳以上四%で三十代、四十代が五七%に達し、タクシー乗務員の平均年齢が五十代後半の実態からすると、 働き盛りの比較的若い世代が多くなっていることだ。

    これはインターネットを日常的に使用する、しないの世代が五十代を分岐点に構成されているからである。 同社として今後の業容拡大を図っていくためには、インターネットのサイトはさらに充実、発展させていくとして、 若くともインターネットと無縁な人材や五十代、六十代の世代を取り込む必要に迫られていたということができる

テレビ雑誌でPR

   JR青森駅横の青森市民ホールにて六月八~九日の二日間、「就職相談会」が開催された。 これに先立ち同社では、青森テレビでCMを放映したほか、地元の就職情報誌全四誌にも広告を掲載し、大々的な告知活動を展開した。 これにかかった費用について清水社長は口ごもるが、二百万円は下らなかったもようだ。

    また、六月八日の早朝に青森入りした清水社長ら一行は、JR青森駅前のタクシー乗り場を皮切りに市内の主要タクシー乗り場で、 既存乗務員にも就職相談会のチラシを配布した。この日は本紙取材班も青森入りし、夕刻に相談会会場を訪れた。 相談会の開始直前、清水社長は、高鳴る胸を押さえながら次のように語った。

    「転職したいと思っている人は多いのですが、いざ転職しようと思うと不安なんですね。」 そこをマン・ツー・マンでカウンセリングすると安心される。それが私どもの役割で、どれだけの人が来てくれるかがカギです。」

    いま全国的にみても地方都市は、過疎は少子高齢化の影響を受けて経済的な地盤沈下傾向が著しい。 青森もご他聞にもれず市内中心部のショッピングモールやレジャービルに、空室が結構あった。 そんなところからも清水社長が、転職したい人が多い、というのもうなずけた。

まずは合格点

講義風景

   清水社長の目算は、二日間の「就職相談会」で二十人を集めようというもの。 そのうち五~六人の斡旋ができれば、ペイするという皮算用であった。

   相談会は、青森市民ホール四階の会場で出席者全員を集め、 相談会開催の趣旨と日本総合ビジネスの業務内容と実績などについて営業部の金澤龍司氏が説明し、 「お客様第一主義」を強調した。

   そのあと別会場でマン・ツー・マンによるカウンセリングが行われ、 応募者の質問に丁寧に答えていたのが印象的であった。

   そして、相談会の成否やいかに。

    参加者は、目標の二十名を下回ったが、就職斡旋は六人がいまのところ有望とのこと。六人全員を斡旋できれば当初の目論見が達成されたことになる。相談会の開始直前の清水社長の緊張した面持ちとは打って変わって、最後のカウンセリングを終了したあとは満面笑みを浮かべ、「このまますんなり斡旋がうまくいけば、まずは合格点かな」 と弾んだ声が飛んできた。

事業盛衰のカギ

   タクシー需要は昭和四十五年以降、減少し続けてピーク時の半分近くまで落ち込んでいる。 この傾向は、今後の人口減少や他の交通機関との競合の加速によって、強まりこそすれ改善することは考えにくい。

    その状況の中で規制緩和によって需給調整規制は撤廃されたけれども、クルマは増やせてもそれを運転する乗務員が確保できない、 という現状がすでに発生している。

    タクシー事業の盛衰のカギは、乗務員確保にかかっているといっても過言ではない。 その意味で今回の就職相談会の成功は、同社のこれまでの業容を拡大する契機になるばかりでなく、 都内事業者の乗務員確保戦略に対して一定の方針変更を求めていく可能性がある。

書類に目を通す

    同社では、七月十六日に都内で複数のタクシー事業者を集めた合同の会社説明会を開催することにしている。 タクシー業界で、まして同業者が集まって会社説明会を行うなどとは、いままで誰も考えていなかったものである。 一般の常識が通用しないこの業界に次から次と新機軸を打ち出し、チャレンジ精神を発揮していく同社清水社長。 彼の一挙手一頭足に目が離せなくなってきた。

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