タイの乗り物【トゥクトゥク】

 

前回、タイのタクシーと比較して、日本のタクシーの誠実さを殊更に賛美しましたが、旅情を満喫できるという点において、この屋根付き三輪の乗り物には敵わないかもしれません。皆さんも一度は耳にされたことがお有りかと思います。

『トゥクトゥク』

私は言葉の響きを気にする性質でして、『トゥクトゥク』は、口に出して言いたくなる語感があります。『トゥク』だけでも軽快な響きなのに、それをリピートするわけですから、黙ってはいられません。 日本語で同じような言葉があるでしょうか。

『つんく♂つんく♂』

キョンキョンのようには言いませんね。それだけに『トゥクトゥク』は、外国語として大変に貴重な言葉です。私にとっては。

 

その『トゥクトゥク』ですが、熱帯性のタイの気候を一時、忘れてしまう位、 風が心地よく、周りを遮断するものが何も無い簡易な造りがスリリングです。定員は、およそ3名。料金は、ドライバーさんとの交渉次第。バイクほどではありませんが、渋滞をすり抜け、細い路地まで入っていくフットワークの軽さが利点です。

私たちがタイに行った時期は、ちょうどグリーン・シーズン(雨期)にあたっていたため、時折、夕立のような激しい雨に遭いました。しかも、初日は雷雨。その日に初めて、『トゥクトゥク』を利用したのですが、その前に少し落ち込むことがあり、珍しく旅先で消極的になっていた私は、これに乗ってホテルまで戻ろうという人の言葉に、否定的な意見を述べました。渋りながらも発車した直後、すぐに謝りたくなりました。風が、心地よかったのです。

 

そんな味のある『トゥクトゥク』ですが、どうやら減少傾向にあるようです。新規許可が下りなくなったと聞きます。今回、ある程度の人数分をチャーターし、目的地に向かったのですが、途中、レースのようになり、不謹慎とは思いますが、興奮してしまいました。日本では、到底こんなことは叶いません。彼の地ならではの、この軽快な乗り物を残してほしいような気もします。まぁ、これは旅行者の勝手な意見です。そのお国には、そのお国の様々な事情があるかと思います。

個人的には、この素敵な乗り物が大好きです。

 

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タイの乗り物【タクシー】

この休み、微笑の国・タイに行っておりました。私はどこの国に行っても必ず、タクシーを利用します。日本のタクシーと比べたいからに他なりませんが、現地の息吹を感じられるという点において、ドライバーさんと会話できるタクシーは、その筆頭だと思うからです。

今回はタクシーのみではなく、シリーズに分けて、タイの乗り物をいくつかご紹介させていただきます。こと乗り物の種類の多さで、タイに肩を並べられる国はないのではないでしょうか。少なくとも私は知りません。そんな乗り物パラダイス・タイの今をリポートします。まずは、いくつかタクシー車両の写真を見ていただきましょう。

総じて言えることは、車体の色が派手だということです。特に下段のショッキング・ピンクの車両は、頻繁に目にしました。上段の初心者マークのようなツートン・カラーも強烈ですね。中段のオレンジも熟れた柿のようで、おいしそうです。日本のように黒い車両というのはほとんどなく、とにかく目立つことが重要のようです。

メーカーは、圧倒的にTOYOTAさんが多かったように感じました。初乗り料金は、メーターを使った場合、約35バーツ(1バーツ3円で計算した場合、105円)ですので、かなり激安です。わざわざ、メーターを使った場合と書きましたのは、近場だと使わないドライバーさんが多いからです。

誤解しないでいただきたいのは、市井で触れたタイの方の印象は、本当に素晴らしいということです。ウエルカム感が半端ではありません。海外旅行経験の乏しい私が言うのもどうかと思いますが、これまで行った国の中ではダントツでナンバー・ワンです。正に微笑の国の面目躍如と言えるでしょう。

道を訊いたおじさんは、途中まで気にして付いてきてくれましたし、目的地へ向かう途中、「あと、5分だよ~」と、駅へのルートを雑貨屋の人が示してくれたりもしました。こんな国は、そうそうないはずです。本当に感謝していますし、五輪を控えた私たち日本人には、素晴らしいお手本かと思います。

ただ!ただです!!外国人だからといって、露骨にボッタくるタクシードライバーさんだけが、その株を大幅に下落させています。タクシーの業務においては、私の職務上、お国柄という言葉では済ませられません。

事前にある程度のことは聞いていたので、真偽を確かめるため、ちょっと行儀が悪いですが、敢えてカモになったりもしました。宿泊しているホテルが近いことを知っていて、乗車したのです。本来は1メーター35バーツで行く距離を、「200バーツでどうだ?」と、言ってきたのです。もちろん、メーターは使いません。目と鼻の先の距離なのに、どうするんだろう?と逆に興味が出てきて、Goサインを出しました。

果たして、車両は大幅な回り道をしました。わざわざ、渋滞している通りに入り、「many many Car」と、言ってきました。ちょうど、日本大使館の前に来た時、バツが悪いと思ったのでしょうか、「ここも案内できるぞ」と、風俗店や、飲食店のパンフレットを出してきて、他に注意を逸らそうとしました。

結局、通らなくてもいい病院の駐車場を通ったり、なんやかんやでホテルまで到着したのですが、「なるほど。こんな感じでやるのか」と、妙に感心してしまいました。とはいえ、こんないい加減な人ばかりでなく、実直に任務を遂行する人もいたので、そこは誤解がないようにしたいところです。ただ、そうでないドライバーさんは、近距離だとメーターを使おうとはしません。それも恐らくは外国人だと分かると200バーツ位(1バーツ3円で計算した場合、日本円で600円)と言ってくるはずです。

先のドライバーさんですが、終始笑顔で、私の拙いタイ語のチェックもしてくれたりしたので、他は何ら嫌なことはありませんでした。それと、ノーブレス・オブリージュ【高貴なる者に伴う義務】という言葉もあります。自分が高貴な人間だなんて、これっぽっちも思っていませんが、嫌な思いをした時に、自らを納得させるには有効な言葉です。ですが、日本人=お金持ち=多めにもらってOKという考え方は、どうかと思います。国によって事情は違うかと思いますが、その点においては、日本のタクシードライバーさんを見習ってほしいと思います。

『トリップアドバイザー・旅行者による世界の都市調査』で、、タクシードライバーの親切さ、サービス、街の清潔さ、公共交通機関、安全の5つの項目で、40都市中、東京が第1位だったことは以前、ご紹介させていただきました。バンコクも、街の清潔さ、公共交通機関の充実さでは、上位にくるかと思います。歩きタバコの人や、唾を吐く人を見かけませんでしたし、(これに関しては、東京の方がひどいかも)BTS(高架鉄道)、MRT(地下鉄)などの交通網の発達ぶりには、目を見張るものがあります。

タクシーに関しては、日本のドライバーさん、どうぞ胸を張っていただきたいと思います。皆さんが、当たり前のように行っているサービスが、至高のサービスなのです。それにプラスアルファの臨機応変な対応が加わわれば、今後も上位の座が揺らぐことはないのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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正直大国

世界各地の都市で、わざと財布を落とし、拾い主が届けてくれるかどうかを試してみたら・・・米誌が実験し、市民の「正直さ」を比較し、ランキングを発表しました。ニューヨークからインドのムンバイまで世界16都市でそれぞれ12個ずつ、歩道、公園の近くなどに財布を落 とし、拾った人がどうするかを見届けたらしいです。財布には50ドル分の現金と携帯電話の番号、名刺、家族写真を入れたそうです。家族写真を入れるあたり、手が込んでいますね。

計192個の財布のうち、返却されたのは90個だそうです。都市別ではフィンランドのヘルシンキがトップで、12個中11個が返ってきたとのこと。2位はムンバイの9個、3位にはハンガリー・ブダペストとニューヨークが8個で並んだという結果に。最下位はポルトガル・リスボンで、1個しか返却されなかったそうです。しかも、その1個を拾ったのは地元住民ではなく、他国からの旅行者だったというオチが。

肝心なことが一つあります。日本国を入れていないということです。その時点で、このランキングは、意味を成さないものになります。日本人は交番に届けますぞ!でも・・・実際どうなんでしょう。どのくらいの率で戻ってくるんでしょうか。興味深いところです。

以前のブログで、車内に110万シンガポールドル(約7.300万円)が入った紙袋の忘れものを届けたタクシードライバーさんに、称賛の声が多く寄せられた話を書きました。正直者のドライバーさんには頭が下がりますが、日本では当たり前のことだと思います!そう、信じています。7年後にオリンピックを控えた今、正直大国日本の面目躍如といきたいところです。

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ロケーション

海外のタクシードライバーさんに地元の名物料理店を訊いて、案内してもらうというTV番組を観ました。興味深かったですね。国によって価値観が違うように、おいしさの基準ももそれぞれで、とんでもなく辛いものを食べて、出演者が悶絶していました。少し気の毒でしたが、地元の方が贔屓にしているような店で食べてこそ、旅の醍醐味を味わえるのではないでしょうか。

とはいえ、お国によって店は慎重に選ばなければいけません。食あたりを起こして散々な目に遭ったという話もよく聞きます。平和ボケしていると言われている日本人は、異国であることをしっかり認識する必要があります。ですが、私はガイドブックに載っているような店ではなく、地元の人が通うような店が大好きです。稀にハズレもありますが、雰囲気を味わうことも重要なファクターだと思うのです。

外国の方と食事をすることが稀にありますが、その時に私が気をつけていることは、先入観に囚われないということです。つまり、相手のニーズが、日本=寿司・天ぷら・スキヤキ!というThis is 日本食だとは勝手に決めつけないとういうこと。外国の方が期待するのは、新たな発見であることの方が多いようです。

以前、香港の方を『おでん屋』さんに案内したことがあります。私の発案ではなく、その方のリクエストでした。好物がラーメンであることを事前に知っていたので、おいしいラーメン店を吟味していた私は拍子抜けしたものです。理由を訊きましたら、「ラーメン店は香港にもある。でも、本格的なおでん屋はない」という回答でした。

リクエスト通り、かなりクラシックな店に案内しました。味も良かったのですが、その方が最も喜ばれたのは、女将が着物に割烹着姿で接客していたことでした。何となく分かる気がします。日本人でも、例えばベトナム料理店で、お店の方がアオザイを着て接客をしてくれたら「本格的~っ!」と、嬉しく思うはずです。料理+ロケーション+キャストの三位一体が重要なわけです。

タクシードライバーさん=おいしい店を知っているという法則があります。現役のタクシードライバーさんに訊きましたら、「そんなことありませんよ」と言っていましたが、そうあってほしいという願望はあります。実際、安くておいしい店を知っているドライバーさんは、いらっしゃいます。

知り合いのタクシードライバーさんに、「もし、外国の方からおまかせで!と言われたら、どこの店を案内します?」と、訊きました。いくつか回答があったのですが、面白いと思ったのが、新宿にある『思い出横丁』です。特定の店というわけではないですが、ロケーションとしては、確かに興味深いと思います。狭く暗い路地に、各店から出てくる煙が立ち込めて、リドリー・スコット監督の作品、『ブレード・ランナー』の劇中に出てくる日本を連想させます。

昔、ハワイに行った際、地元の方御用達のハンバーガー・ショップへ行ったことがあります。出発前、タクシードライバーさんに「知っていますか?」と、確認しましたら、「ボクもよく行くよ」という返事でした。実際に行ったみたら、観光客は少なく、正に地元の人が集う店という雰囲気だったので、感動したことを覚えています。

今度、海外に行った時、現地のタクシードライバーさんにおいしい店を訊くつもりです。言葉が通じず、恥をかくこともありますが、それはそれで旅の醍醐味です。

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目配り・心配り

「私は、地方出身だから不利です。東京の道も知りませんし」

東京でタクシードライバーの仕事に就くにあたって、このように言う方がいらっしゃいます。自信がないのは分かります。東京23区は想像以上に広いですし、聞いたこともない地名もたくさんあるかもしれません。ただ、一つ言えることは、東京出身の方でも都内全ての地理を把握しているわけではありません。地方出身の方で、一から東京の道を覚えて、今では都内の地理のエキスパートになっている方を知っています。

今日、ある方と電話で話をしました。山梨県のご出身で、弊社の紹介で都内の会社に就職された方です。都内の地理には自信がないと、初めは言っていたのですが、乗務されてから半年と経たないうちに、営業成績がトップクラスになりました。「その人は特別なんでしょ?」という声も聞こえてきますが、今回は直近のパターンをお話をしただけで、このような例は他にいくらでもあります。

ここでお伝えしたいことは、その方の姿勢です。とにかく、前向きなのです。そして、私が言うのもどうかと思いますが、大変に素直な方なのです。新人の方で、奇をてらった営業方法で、失敗されてきた方を私は多く見ています。確かに人と同じことをやっていては勝てません。とはいえ、それは経験を重ねて、初めてできることではないでしょうか。その方も逆転の発想で、そのような動きをすることもあるようですが、あくまで正攻法の範疇で行っているようです。

当然のことながら、営利目的である以上、タクシー会社さんは、ドライバーさんに稼いでいただかなければなりません。数多の未経験の方を、一人前にしてきたノウハウも当然持っています。私は、よく企業訪問をしますが、「できない人ほど我流に走ります。こちらはできるやり方を伝えているのですから、最初のうちはそのまま実践していただければいいんですよ。だから、素直な人ほど伸びるんです」という声をよく聞きます。

言われたことだけ、やっていればいいというものじゃない・・・それも一つの意見ですが、少なくとも最初のうちは、経験則から生まれた、確率の高いやり方を踏襲された方がいいと思います。タクシーの話ではありませんが、少し前、TVで一流パティシエの方が、「レシピ通りに作ったものが、間違いなくおいしい」という主旨のことを言っていました。何気ない言葉でしたが、特にお菓子は、材料が1グラム単位でも違えば味が変わってくると聞きます。「これだっ!」と完成されたレシピがあるとしたなら、無駄なアレンジは不要・・・ということなんですね。

ただし、創意工夫は必要かと思います。先の山梨県出身の方も、都内の地理をかなり研究しています。プラス、その方はよく気づく方です。『気づき』って、本当に大切なことです。お客さまは、手を挙げて車両を停止する方だけではありません。無言でアイコンタクトを送ってくる方もいます。それを素早く察知し、スムーズにご利用いただく・・・目配り・心配りが大切なのですね。

日車輸送回数が多いというトップ・ドライバーさんに欠かせない要素も、その方は今の段階で満たしています。会社の方針で、最初のうちは日勤をしていましたが、最近、隔日勤務に変わったそうで、いよいよ真価が発揮される時です。その方と話している時に、「楽しみ」という言葉が随所に出てきました。こういう人は強いです。

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ミッドナイト

タクシードライバーさんを題材にしたドラマ・映画は数多ありますが、漫画となるとそうは聞かないのではないでしょうか。少なくとも、私はあまり知りません。唯一、手塚治虫先生の『ミッドナイト』だけは、リアルタイムで拝読していました。

私より前の世代の方は、手塚先生といえば、『鉄腕アトム』『リボンの騎士』などの作品を連想されるのではないでしょうか。私は断然、『ブラックジャック』 『ミッドナイト』に思い入れがあります。『ミッドナイト』は、『ブラックジャック』に比べてあまり話題になることがありませんので、少しご説明させていただきます。

ミッドナイトとは、主人公のタクシードライバーの通称です。その名の通り、彼は深夜の時間帯を専門に勤務しています。業界で言うところの、夜日勤(ナイト)専門です。一見、ドライに見えて、実はお人好しな主人公は、おせっかいな性格も手伝って、さまざまな出来事・事件に巻き込まれていきます。この辺りは、『ブラックジャック』の主人公とも似通っていますが、その他にもモグリであることなど、いくつかの共通点が見られます。

手塚先生の描くプロフェッショナルは、総じてニヒルで、ストイックで、それでいて人間的な魅力に溢れていて、本当にカッコいいです。彼らは、好むと好まざるとにかかわらず、事件の渦中に身を置くことになります。とはいえ、自ら首を突っ込んでいると思われる節も、随所に見られます。そこが愛すべきところです。

『ミッドナイト』の主人公を見ていると、私の知り合いのタクシードライバーさんを思い出します。たまにしか連絡がありませんが、いつも心拍数の上がる内容が多いです。自らも、「僕は危険なところに首を突っ込む癖がある」と、言っています。『ミッドナイト』の主人公と重なるところは、おせっかいで、お人好しなところです。そこがその方の素晴らしさであり、危うさでもあります。

仲間思いのナイスガイなのですが、一時期、あまりにもトラブルが続いたものですから、「○○さんが、ご自分からトラブルを呼んでいるんじゃないですか」と、余計なことを言ってしまいました。これ以上、危険な目に遭ってほしくないという気持ちから出た言葉です。ご本人も納得はされていましたが、性(さが)なのでしょうか、本質的には変わっていないようです。

お若い時分からタクシーの仕事で、真面目に頑張ってきた方です。理不尽なことに耐え、憂き目に遭っても、乗り越えてこられた過去も知っています。それだけに、その方には報われてほしいと思うのです。ご本人の営業スタイルがあるかと思いますので、これ以上、余計なことを言うつもりもありませんが、大事に至らないよう、ただ、祈るばかりです。

「危ない目にも遭ってきましたし、とんでもないものも見てきました。でも、自分はこの仕事が好きなんですよ。天職だと思っています」そう、言っていた言葉が忘れられません。天職だと思える仕事に巡り会っている方が、世の中にいかほどいらっしゃるでしょう。素晴らしいことだと思います。

今頃、どの辺りを走っているんでしょうか。いつも気になります。

 

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タクシーの評価

JOC総会の最終プレゼンの件を、少し前にご紹介させていただきましたが、肝心なことを伝えるのを忘れておりました。世界旅行者の意識調査で、東京が第1位評価を得た項目の一つに「タクシー運転者の親切さ」があったことを、伝えてくださっていたことです。

元になったのは、『トリップアドバイザー・旅行者による世界の都市調査』です。今回の調査は、2012年に世界の主要都市40都市を訪問し、投稿された7万5000人の旅行者を対象に、10項目の質問に対して、その都市を訪問した際の体験を元に、0~10点のスコアで評価してもらったものです。東京は10項目のうち、タクシードライバーの親切さ、タクシーのサービス、街の清潔さ、公共交通機関、安全の5つの項目で、40都市中1位でした。ちなみに、残り5項目のうち、4項目もトップ10に選ばれていますので、全体的に高い評価を受けているようです。

嬉しいですね。誇りに思いますし、来日された方にもっと日本を好きになってほしいという気持ちにもなります。旅先で受けた親切は忘れません。タクシーの話ではありませんが、以前、香港に行った際、待ち合わせ場所が分からずに往生していた時、ダメ元で訊いたある店の店員さんが、目的地まで一緒に行ってくれたことがあります。その方が持ち場を離れてしまうことを、こちらの方が心配しましたが、そうまでして案内してくれたことに、殊更、感激したものです。このようなことは、いつまでも心に深く刻まれます。

私も同じようなことがあれば、その時にできる精一杯の対応をしていきたいと思います。身内の話で恐縮ですが、私の同僚が、JRの切符売り場で立ち尽くしている外国人ファミリーを、途中、理解できるであろうポイントまで、電車に乗って案内している場に立ち会ったことがあります。同僚は英語に堪能です。それも大切な条件でしょうが、気持ちと勇気がないと、できないことではないでしょうか。特に日本人の場合、気持ちがあっても、周りの目を気にして行動できないことがあるものです。

オリンピック・パラリンピックを7年後に控えているから・・・そのことのみではなく、普段から当たり前のこととして留意していきたいと改めて感じます。市井の人の何気ない心くばりが、国の印象を決める重要なファクターになるはずですし、そうではないと本物とはいえないと思うのです。

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女性ドライバー

前回、タクシーのオート・ドアサービスが、1964年の東京五輪を契機に全国的に普及した話をしました。『ドアが開くまで待っている人がいたなら、それは日本人だ』という外国の逸話があるくらい、日本人にとっては当たり前のサービスです。

2回目の東京五輪を控えた今、来日された方が、日本のタクシーのサービスをどう思っているのか・・・気になるところです。聞けば、概ね料金の高さ以外は、好意的に思ってくれているようです。車のキレイさ、特にシートカバーと、フロアマットの清潔さに注目している方が多いのは興味深いところです。

あと、なるほどな・・・と思ったことは、日本は女性のドライバーさんが多いという意見です。他の職種に比べれば、必ずしもまだ多いとは言えませんが、それでも近年は増えてきました。確かに他の国で女性ドライバーさんは、それほど見たことがありません。まぁ、私程度の渡航経験では正確なことは言えませんが、少ないような気はします。

個人差はあるでしょうが、私などは女性ドライバーさんの車に乗ると安心します。接客が柔らかい感じがしますし、女性ドライバーさんは、無茶をしないような気がするのです。それはそれで偏見かもしれませんし、私が異性だからという事もあるかもしれません。ですが、ホッとするのは事実です。

実際、女性のお客様に訊くと、夜遅い時間にタクシーを利用する際、女性ドライバーさんだと安心するという意見は多いです。こちらに関しては、ごく一部の心無い男性ドライバーさんの女性を軽視した態度が、端を発している結果と言えるかと思います。とはいえ、男性ドライバーさんに非がなくても、女性の方が殊更に神経過敏になっていることも、なくはないかもしれません。要は、本当に良くない接客をする人こそ、断罪されるべきです。

素晴らしい接客をするタクシドライバーさんは、たくさんいらっしゃるのですから、お客様側にも妙な固定観念は持っていただきたくないと思います。あるベテラン・ドライバーさんが「難しいことじゃないよ。自分がされたら気持ちのいいことを、相手にもしてあげあげたらいいんだよ。」と、言っていました。相手が気の置けない私だからこその、ざっかけない言い方でしたが、それだけに真理とも言える言葉だと感じました。

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東京オリンピック・パラリンピック

2020年夏のオリンピックとパラリンピックの開催都市が、東京に決まりました。総会での最終プレゼンの様子をTVで拝見しましたが、皆さん堂々とされていて、本当に素晴らしかったと思います。私ごときが偉そうに言うのも、どうかと思いますが、本心なので敢えて言わせていただきます。

東京開催に関しましては、タクシー業界としては、安穏としていられない問題もありますが、ここではプレゼンの話をしたいと思います。印象に残っているのは滝川クリステルさん。『おもてなし』という言葉を使ってくださったのが、嬉しかったですね。あの笑顔で、あんな言葉の刻み方をされた日にゃぁ私だって、持ってない票を入れますよ。後にインタビューで、どうしてもこの言葉をスピーチに入れたかったと言っていたのが印象的です。

『おもてなし』この言葉は、『モッタイナイ』に肩を並べる世界中の合言葉になるかもしれません。私がこの言葉を気にするのは、ある外国の方が、「おもてなしの素晴らしさでは日本がイチバン!」と、言っていたからです。日本での飲食店で、感動することがあったそうです。具体的には、レストランの『おしぼり』のサービスのことを言っていました。日本人にしたら「何で?」ですが、他の国ではないんだそうです。寒い季節に温かい、暑い季節には冷たい『おしぼり』のサービスが。

そして、もう一つ。寒い季節にその店に入ったので、最初は温かい・・・というより、熱いお茶を出されたんだそうです。まぁ、日本ではよくあること。さて、ここからです。その方は、食後に薬を飲む習慣があったそうで、箸を置いた後、おもむろに薬の入ったケースを出しました。その刹那、コトリとテーブルに置かれたのが、常温の水です。日本の接客に慣れている私でも、感動する話です。

もしかしたら、サービスする側にとっては、取るに足らない瑣末なこと、当たり前のことと思っているかもしれません。ですが、大切なことは、そのさりげないことを相手がどう思うか、感じとってくれるかだと思うのです。

今やお馴染みの日本のタクシーサービスの一つである、オート・ドアサービスも1964年の東京五輪を契機に全国的に広まったと聞きます。インフラ整備も大切ですが、世知辛いと言われている昨今、日本人に染みついている土着の精神といってもよい『おもてなしの心』を前面に出してもよいのではないでしょうか。他の国の方が見て、素晴らしいと思えることを素直に実践し、喜んでもらう。大切なことだと思います。

 

 

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憧れの職業 

皆さんは、憧れの職業は何だったでしょう。私世代の男子の場合、パイロットが多かったと記憶しています。あるサイトの最新の情報ではパイロットは、100位でした。正直、「えっ!?」と、思いましたね。いつの間に、そんなに人気がなくなってしまったのでしょうか。前回の順位が99位とありましたので、そのサイト内では、どうも筋金入り?のようです。タクシードライバーは、残念ながらランク外です。

これまで多くのタクシードライバー志望の方とお話をしてきましたが、「昔から憧れていた」という方は、結構いらっしゃいます。お聞きすると、お父さまか、おじいさまが、就いていた場合が多いです。大変そうだな・・・と、背中を見てきて理解しているにもかかわらず、自らも時が来たらやるわけです。嫌なことのみではない・・・ということも、ご存知の証左に他なりません。

以前、お会いした方がこんなことを言っていました。「私の父は、タクシードライバーの仕事をして、自分たち兄弟を育ててくれました。法人タクシーでコツコツ頑張って、ようやく個人タクシーのドライバーになった時に、亡くなってしまいました。子供たちも成長し、手も金もかからなくなり、これからという時にです。父は無念だったと思います。遺志を継ぐというわけでもありませんが、私も同じ仕事をやってみたくなったんです。父がやっていた時、今日は嫌なことがあったんだな、という顔も見ています。ただ、今日あったことを楽しそうに話す父の顔も憶えています」と。

結局、その方はタクシードライバーになりました。随分とお会いしていませんが、今もハンドルを握っていらっしゃるはずです。この方だけではなく、私が覚えているだけでも、相当数の親御さんが経験者という方がいらっしゃいました。つい最近では、親子で同じ企業に応募されたなんて方も。お父さまが経験者で、息子さんが未経験者なので、心得や、抜け道など伝授されるなんてこともあるんでしょうね。

私は、タクシードライバーさんは、凄い仕事だと思っています。どなたが乗って、どちらに行くのかも、当然のことながら最初はわかりません。それでも、臨機応変に対応しなくてはいけないのですから、頭も使うし、気くばりも必要な、凄い仕事だと思っています。

東京都内でタクシードライバーをやっているベテランのドライバーさんが、こんなことを言っていました。「東京都庁周辺も、国会議事堂周辺も、私の職場、庭なんです。前は、スチール製のデスクが全てでしたけどね」この方、以前は事務職に就いていらっしゃったんです。今や、東京・日本の政治の中枢たるエリアを、ご自分の庭呼ばわりするなんて・・・スケールが大きいですね。

自分に自信を持っている人は、いつだってかっこいいです。

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