タクシードライバー無名人語録2

不定期と伝えておりましたが、気まぐれですから、第2回目をスタートします。私はタクシー会社さんによく行きます。管理職の方はタクシードライバー経験者が多いので、経験者ならではの含蓄のある言葉を、時に聞かせてくださいます。今回は、管理職の方の印象に残った言葉です。

「最初にお客さまの目を見て、きちんとした挨拶をするんです。形だけじゃダメですよ。しっかり通る声で、滑舌よく、心からでないとけません」

【通常の接客の心得でもありますが、この場合は、「もし、何か悪いことをするような人が乗ってきたらどうしたらいいでしょう」という新人さんの問いに答えた時の言葉でした。何か邪な気持ちを持っている人は、スタートの段階で毅然とした対応をされると、「この人にはやめておこう」という気持ちになるんだそうです。接客の基本的なことを手を抜かずに行えば、そのまま抑止力になるということですね】

「お客さまに空間と時間を提供する劇場なのです」

【ある会社の朝礼の際に聞いた言葉です。確かに、お客さまはその貴重な時間と、世界にひとつだけの空間を買ってくださっています。特筆すべきは、劇場という言葉を使っていること。千葉にある○○ランドではありませんが、キャストとしての心構えで然るべきということですね】

「確かに困ったお客さまは、いらっしゃいます。ですが、その方がお支払いされる料金の半分は、自分の給料になる・・・そう考えれば、腹は立ちません」

【お金のことではありますが、商売の根幹でもあることです。とはいえ、ドライバーさんも、お客さまも血の通った人間です。腹の立つこともあるでしょう。ですが、そこにギャランティーが発生している以上、プロに徹するべき・・・ということでしょう】

いかがでしょう。至極、当たり前のことを言っているようですが、改めてお聞きすると、「確かにそうだよなぁ~」と思える言葉ばかりです。逆に言えば、当たり前のことがしっかりできていない時、アクシデントは起きるのではないでしょうか。例えば、お店などでお客さまの目を見ず、呪文のように「いらっしゃいませぇ~~~」を繰り返す人がいます。そんな挨拶だったら、むしろしない方がよいです。

基本に忠実であること。誠心誠意、接すること。大切なことですね。

 

 

 

 

 

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タクシードライバー無名人語録

以前のブログで、タクシードライバーさんの印象にのこる言葉を紹介したことがありました。経験者の生の言葉に感銘を受けたというお言葉を、先日、ある方からいただきました。確かに、私が考えて作ったものではなく、現役の方が発する言葉には、体温と重みがあります。そこで、リクエストに応えて復活したいと思います。題して、『タクシードライバー無名人語録』です。

「日本語が通じる場所でやるんだよ。道なんか気の持ちようで覚えるって」

【東京の地理が不安な地方から上京された方が、先輩に訊いた時の答えです。確かに言葉の通じない外国ではありません。分からなければ、訊くか、調べればよいのです。一見、乱暴に聞こえますが、後輩を殊更に心配させない思いやりを感じる言葉です】

「お客さまが手を挙げてタクシーを停める時、そのドライバーが、ベテランか新人なのかなんてわからないでしょう。もし、わかったら皆ベテランの車に乗ってしまう。それがないから、この仕事は新人さんでもやる気次第で稼げるんです」

【現役の方ではなく、経験のある管理職の方が、面接の際に言った言葉です。実は車両を選ぶお客様はいらっしゃます。とはいえ、いま正に必要な時は、その時に来た車両に乗る方がほとんどです。新人さんほど売上がよいことも、実際、よく聞くことです。気休めでも何でもなく、手を抜かずにコツコツやる方が上に行く世界なのです】

「痒いところに手が届く人が、売り上げのいい人だよ」

【あるベテランさんの言葉です。比喩ですが、要は人の機微がわかる人は、時間を大切にできる人であり、安全運転にも留意できる人であり、絶妙のタイミングで車をつけることが出来る人です。そのようなキメの細かい人は、必然的に売上が後からついてきます。この言葉を言ったドライバーさん自体、トップクラスの売上を誇る人だったので、非常に説得力のあるいい言葉だと思いました】

さて、いかがでしたでしょう。人によって受け取り方は違うとは思いますが、ここでお伝えしたいことは、『やる前から悩んでても仕方ないですよ』ということです。ネットやメディアは、ほぼ悪いことしか伝えません。ですが、やり方・環境・考え方によっては、この仕事ほど面白いものはない!というドライバーさんもたくさんいるのです。とはいえ、十人十色です。ピタッとはまる方も、はまらない方もいます。要はご自分次第ということです。不定期ではありますが、第2回に続きます。

 

 

 

 

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コミュニケーション能力

弊社の紹介で入社された方で、埼玉から東京のタクシー会社へ移った方がいます。当初、「東京の地理がわからないので不安です」と、言っていました。23区と一口に言っても、神奈川寄りもあれば、千葉寄りの地域もあります。想像以上に東京は広いです。経験者とはいえ、その方の心配もわからないではありませんでした。

ただし、その方には武器がありました。さて、何でしょう。妖刀村正でも、44マグナムでもありません。それは、謙虚な姿勢と素直な心です。何だ、そんなこと?という声も聞こえてきますが、そんなシンプルなことこそ、この仕事の肝になる部分なのです。これからタクシードライバーを目指す方にとっては、意外に思われるかもしれませんが、告げられた目的地、あるいは道がわからない時、ドライバーさんは、お客さまにお訊きします。よく、「プロ・ドライバーが道を素人に訊くんですか?」と、知らない方には驚かれますが、事実、訊いています。

とはいえ、ただ漫然と『訊く』のでは、お叱りを受けるだけです。肝心なのは、訊き方です。先のドライバーさんの上司の方は、こんなことを言っていました。「あの人は、わからないことは訊いてきます。経験者とはいえ、自信過剰になったりしない。そして、こうした方がよいとアドバイスした時に、素直に聞きいれる謙虚さがある。ああいう人は伸びますよ」

東京の人は、地方の方が思っている以上に親切です。道を教え慣れているということもありますが、ご自分の家や会社までのルートは、当然のことながらよくご存知です。とはいえ、「で、どこ?」的な訊き方をするのは問題外なのは言うまでもありません。告げられた目的地がわからなければ、最初にお詫びします。そして、謙虚な姿勢でお訊きする。お礼も当然、忘れてはいけません。この流れがしっかりできる方でしたら、お客さまは気持ちよく教えてくださるでしょう。

技術や知識は後からついてきます。大切なのは、コミュニケーション能力です。

 

 

 

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団体戦

前回、転職をするにあたって、どうか自信を持ってくださいということを言いました。人生のご同輩、先輩諸氏にエールを送る意味もあったのですが、タイムリーな出来事がありました。ソチ・オリンピックで41歳にして銀メダルの快挙を成し遂げた葛西選手の活躍です。男子ジャンプ団体でも、日本が16年ぶりにメダルを獲得しましたので、喜びもまた一入です。もちろん、葛西選手個人の活躍にも賛辞を送りたいのですが、今回は、年齢もキャリアも違う仲間と共に挑んだ団体戦で、成果を挙げたことに拍手を送りたいのです。

ある意味で、企業は団体戦を行っているようなものです。会社の規模の大小にかかわらず、それぞれの社員が運命共同体となって、勝ち上がることを旗印に毎日、奮闘しているはずです。性別、年齢、キャリアも違えば、当然、立場も違います。多少の差異こそあれ、『皆が幸せ』になるためという共通の動機があり、それに向かって邁進しています。

「皆ではなく、自分の幸せにためにでしょ?」という意見もあるかと思いますが、団体戦である以上、自分だけではなく、それぞれの足並みが揃わなくてはいけない場面がでてくるのは必定といえます。とはいえ、そのような一枚岩体制であるからといって、考えや意見が同じでなければいけないはずはなく、実際、違いがあるからこそ、濾過され、磨かれていくものもあるかと思います。

ジェネレーションギャップという言葉があります。【世代の差。価値観の違いから生じる世代間の断絶】という意味ですが、生きてきた時代が違う以上、世代の差はあって当然だと思います。ただし、世代間の断絶・・・これがあることが、問題だと思うのです。差はあったとしても、絶たれてはいけないのではないでしょうか。

個人の意見を言わせていただくと、私はあまり年齢を信じておりません。『年寄りの言うことは、聞くもんだ』と、言われますが、年輪を重ねてきた方が、間違ったことを言わないとは限りません。逆に「若いからダメ」という考え方の方に抵抗を感じます。『尊敬の対象に年齢関係なし』というのが、昔からの私の考えです。

タクシー業界もそうです。少し前までタクシー業務は、ご年配の方がやるものという固定観念を持っている人が多かったはずです。実際、社会経験を活かせるという意味において、多くの方と接するこの職業は、数多ある中でその筆頭かと思います。ただ、イコール「若い人は無理」という考え方は、了見が狭いと言わざるをえません。

こんな話があります。20代前半でタクシードライバーになった方がいらっしゃいました。最初は周りの方から「もっと他の仕事があるだろう」「年をとってからでも出来る仕事じゃないか」と、随分反対されたそうです。ですが、その方には「この仕事で食べていきたい」という確固たる信念がありました。「どうしてそこまで思われたんですか?」と尋ねましたら、「社会人になった以上、多くの人とふれあいたいと思ったんです。もちろん、他の仕事でもできますが、僕は不特定多数の方と近い距離でふれあいたかった。考えて、タクシーだと思ったんです」との回答でした。ここでこの方が言う近い距離とは、物理的な距離ではなく、心の距離も含まれています。

そう思ってから10年が経ち、まだタクシードライバーという仕事を続けていらっしゃるこの方に、どのような心の変化が見られたのでしょう。「この仕事をやっていて、よかったなぁと思えるのはどんな時ですか?」と、お聞きしましたら、「お金をもらって言うのも何ですが、お客様から育ててもらった気がします。未熟だった頃は、お客様に随分とお叱りを受けました。でも、ご一緒に喜びを分かち合う機会があったり、時にはこちらがもらい泣きすることもあったり、タクシーの仕事でなければ、ここまで僕に心を許してくれたのかなぁ・・・と思うことが、かなりあったように思います」というお答えでした。

もちろん、全ての方に当てはまることではないかもしれませんが、その方は最後にこう付け加えました。「僕は環境に恵まれていました。普段、乗務中は一人ですけど、営業所にいる時は、仲間と会うわけです。その時の情報交換の機会が最高に楽しいんです。どのルートがいいとか、どこが工事中だとか。普段は孤独なだけに、尚更その短い時間に強い連帯感を感じるんです。それと、僕の場合は野球部に入っていますから、それも楽しいことの一つですね」

正に仕事は団体戦です。タクシードライバーの仕事は一匹狼的な要素が強いと思われている方も多いと思います。とはいえ、スキージャンプと同じで、記録(売上)は各々のものですが、互いに切磋琢磨してこそ、全体が活きる瞬間があるはずです。

弊社の仕事も一緒です。日常、やっていることは皆違いますし、世代間で言えば、お年寄りが約1名含まれています。もっとも、本人は言うほど、自分がジイさんだとは思っていません。そんな往生際の悪い人がいながらも、絶妙なバランスで、一枚岩となっているはずです。ただ、もう少しそのお年寄りが頑張らないといけません。もっともっと、新しい知識を吸収していかないと、取り残されてしまいます。随分、ひどいことを言うなぁ~と思われるかもしれませんが、自分のことだからよいのです。

 

 

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人生、まだまだですよ

興味深いニュースがあります。『35歳を過ぎると、転職の選択肢は一気に狭まるという定説が崩れつつある』という内容です。ある企業の調査で、、転職成功者に占める35歳以上の割合がこの5年で一気に2倍以上になったことが分かったそうです。もちろん、職種にもよるのでしょうが、一つ言えることは、一定のキャリアを積んできた即戦力、そういう人材は結果として、40代前後に多いということです。(もちろん、それより上の年代も)

仕事柄、多くの年代の方と接している私としては、『この年だから、もうダメだな』という『決めつけ』をいちばんの悪とします。確かに、考えてしまうのも無理はありません。これに関しては、日本の旧来の雇用システムの弊害もあるでしょう。先の35歳を過ぎたら云々という例の線引きです。

固定観念に縛られて、人生の岐路の旬を逃さないでいただきたいと、切に願います。殊にタクシーの仕事は、社会経験を積んでいる人こそ、それが活かされる仕事です。お客様は、性別・年代など様々です。ドライバーさんと同じ年代の人もいるでしょうし、かつてと同じ職業に就いていた人もいるかもしれません。予測不可能なところが、難しいところであり、楽しいところでもあります。

多くの引き出しを持っている方は強いです。『当意即妙』という言葉があります。【すばやくその場面に適応して機転をきかすこと】という意味ですが、これが出来る人は、タクシー業務に適していると思いますし、ご自身もやっていて楽しいと思うはずです。

私の知り合いのドライバーさんで、歴史の好きな人がいます。古地図と言うのでしょうか、昔の地図を駆使して、東京都内の旧跡・故事来歴を調べています。そんな人の車に、共通の趣味を持つ人が乗ったらどうなるでしょう。楽しくないはずがありません。特段、興味のない方でも、今、自分の通っている場所が、教科書に載っているような偉人に縁のある場所であったと説明を受けたとしたら、どうでしょう。夢があるのではないでしょうか。

『痒いところに手が届く』接客は素敵です。その人の経験と個性が最大限に活かせる仕事があるとしたら、それは素晴らしいことではないでしょうか。

私もとうに不惑を超えておりますが、滅多なことでは怒らなくなりました。最近、怒ったことと言えば、私の留守中に皆でカステラを食べていたことを咎めたことくらいです。普段は自分で言うのも何ですが、温厚が服を着ているような人間です。もちろん、個人差はあるでしょうが、ある程度、社会経験を積んだ人は、鷹揚に構えることができるのではないでしょうか。

このことは、タクシー業務に限らず、円滑な人間関係の構築が不可欠な職種、全てに必要な要素だと思います。年齢で線を引くところは、引かせておけばよいのです。その人の人柄と個性を尊重してくれるところに行けばいい話。人生のご同輩、先輩諸氏、どうぞ勇気と自信を持っていただきたいと思います。

活かす場があれば、人は活きます。

 

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幸先良好

2014年がスタートしました。本年も宜しくお願い申し上げます。

皆さま、いかがでしょう。年末年始はタクシーを利用されたでしょうか。私は、頻繁に利用しました。職業柄、タクシーを利用せねば!という勝手な義務感と、業界に少しでも貢献したいという気持ちからです。決して、リッチなわけではありません。ドライバーさんから生の話を聞きたいという取材心もあります。

弊社では、年末年始に必ず、スタッフ全員で氏神様にお参りに行きます。私達にとっては、至極当たり前のことなのですが、行き帰りで利用させていただいたタクシーのドライバーさんが、「お若いのに偉いですね」と、大層感心してくださいました。まぁ、若干1名、ジジイが含まれているのですが。

神社へ着くまでの道中、景気のこと、地理のこと、色々な話をさせていただきました。このような時、専門的な話はしないように心がけています。リラックスした雰囲気に水を差したくないというのが理由ですが、実際、今回のドライバーさんは、よく話してくださいました。降り際に「楽しかったですよ」という言葉もいただきました。ただし、それはこちらのセリフです。出会う人によって、その年の運気が左右されるようなところが、特に年始はあります。先のドライバーさんは、物腰が柔らかく、本当に感じが良い方だったので、幸先のよいスタートになりました。

よいタクシードラバーさんは、人の気持ちをよい方向へ変えます。

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がっぷり四つ

つい最近、アメリカ出身の方が、日本でタクシードライバーになりたいと、弊社にいらっしゃいました。興味を持ってくれたこと自体、嬉しいことですし、その方から熱意を感じたことも嬉しいことでした。一定の条件さえ満たした方であれば、弊社は歓迎します。一定の条件とは、日本の普通自動車免許を取得していること、取得して3年以上経っていること、そして、在留資格があることです。東京五輪も決定した今、観光立国の実現に向けて邁進する日本にとって、正にがっぷり四つで取り組まなければいけない問題です。

先の方は日本での滞在期間も長く、とても礼儀正しい方でした。漢字も含めた日本語の読み書きにも堪能です。私が外国出身で、母国語以外の言語を習得する機会があったとしても、日本語は専攻しないと思います。漢字・平仮名・片仮名の使い分けも難しいですし、『月』という言葉一つとっても、『朧月夜』『下弦の月』など、幾通りもの言葉があります。雅な表現も、日本語の魅力かとは思いますが、習得する側はたまったものではありません。それだけにその方の日本語の読み書き能力の完成度の高さには、頭が下がる思いです。

これから日本でタクシーの仕事をやりたい!という外国の方に、予備知識の一つとして、以下のことをご説明させていただきます。

まず、在留資格のことです。在留資格とは、外国からいらっしゃった方が、日本に在留する間、一定の活動を行うことができる法的資格です。細かく分類しますと・・・

①外交・公用・教授・芸術・報道・投資または経営・法律または会計業務・研究・技術など、一定の範囲内の職種、業種、勤務内容に限って、就労が可能な在留資格。

②文化活動・留学・就学・研修・家族滞在など、収入を伴う就業活動が原則として認められていない在留資格。

③永住者・日本の配偶者等・定住者など、職種、業種を問わず、就労可能な在留資格。

このように3分類28種類に分けて掲げられていまして、外交・公用・永住者以外の在留期間は、在留資格によって分かれますが、最高でも3年とされています。上記①~③に関しましては、更に細かい条件が付帯されています。(ここでは割愛させていただきます)

接客業に照準を絞った場合に、根幹となる大切なことがあります。それは、正しい敬語の使い方です。タクシードライバーの業務に特化すると、それに加えて、リスニング力と、簡潔で的を射た説明能力が必須です。お客様は老若男女、年代、出身地など様々です。何度も聞き返すわけにはいきませんし、目的地を間違えるなど、もっての外です。だからと言って、お訊きすることは悪いことではありません。むしろ、分からない時は必要なことです。大切なことは、その訊き方・・・つまり、コミュニケーション能力ではないでしょうか。

お客様からの指示・ご要望・ご質問にも当意即妙な対応をすることが求められます。そして・・・他の接客業と明らかに違うところがあります。それは、お客様に背を向けている時間が、圧倒的に長いということです。つまり、走行中、お客様のお声が届きにくく、こちらの声も届きにくいということを意味しています。通常の状態より、コミュニケーションがとりにくい空間なのです。

起こりうる、あらゆる状況に臨機応変に対応しなければいけない・・・それが、タクシードライバーという仕事の難しさであり、尊敬に値する要素です。今回、来てくださったアメリカの方は、正直なところ言葉に関しては、まだまだ発展途上の感は否めませんでした。それでも、熱い心と才能がある方なので、卓越した他の能力で補っていただけるものと信じています。日本に興味を持ってくださって、ありがとうございます!と言いたいです。

心に国境はありません。問題は、そこに国境があると思う心の方ではないでしょうか。

 

 

 

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異文化交流

シリーズで、タイのタクシーのことを話しました。普段とは違う世界に身を置く、またはそこに生きる人と接することで、自らを俯瞰して見ることの出来る貴重な体験だったと思います。

私は特に、『外国人と日本人の思考と習慣の違い』に興味があります。最近見たTV番組で、ある国の国民性として、気さくで会話好きであるということを取り上げていました。ご近所の方との立ち話に相当数の時間をかけたり、タクシードライバーさんが話好きだったりと、かなり興味深い内容でした。日本から嫁がれた奥様が、困惑している様子をカメラは映していましたが、むっつりしている国民性よりは、はるかにいいと個人的には思います。

その国のタクシードライバーさんの映像で、興味深かったのは、お客様がご自分一人にもかかわらず、助手席に座っていたことです。インタビューでも、「いつも助手席に座るよ。その方が話しやすいからね」と、言っていました。ドライバーさんと話をすることが前提なのですね。

以前、読んだ本の中にも、奥様と二人でインドに旅行に行った方が、自分だけ「お前はここだ」というニュアンスで助手席に座ることを勧められ、憤慨したということが書いてありました。後にドライバーさんのフレンドシップの表れであることが分かり、その文化の違いに驚いた様子でした。

日本では後部座席が満席で座れない、あるいは目上の方と隣席しないようにという理由以外で、助手席に座ることは、まず無いのではないでしょうか。私自身はタクシーを利用した際、助手席に座る派です。もちろん、一人の時は座りません。ですが、複数の時は後輩と同乗する時も率先して助手席に座ることがあります。理由は、ドライバーさんとコミュニケーションをとりたいからです。

仕事柄もあります。私の仕事は、タクシードライバーを目指す、または業界内で転職する方にタクシー会社を紹介することです。頻繁に企業訪問し、情報収集はしていますが、最前線で働いている方に話を聞かずに、説得力のある説明はできないと思っています。後部座席より助手席は、物理的な距離より、心の距離が近いような気がするのです。それは海外でも変わりません。

私は海外へ行く際、現地の言葉をある程度覚えていく習慣があります。『郷に入っては郷に従え』で、その国の方に敬意を払いたいというのが理由です。色んな場所で自分の言葉が通じるか否かを試すのですが、とりわけ、現地の方の息吹を感じられるという点で、タクシードライバーさんを話し相手にするのがベストだと考えています。

タイでは現地の方の乗車率90%の乗合ワゴン車で、助手席に座りました。約1時間の行程でしたが、車内のタイ人密度の高さからいって、その緊張感たるや通常タクシーの比ではありませんでした。しかも、

案の定、ドライバーさんがラジオで曲をかけた時、何やら話しかけてきました。「この曲、いいよね」的な響きでしたが、恥ずかしいことに私は即答できませんでした。簡単な言葉で意思を伝えることはできましたが、何を言われたのかが分かりません。これでは、本末転倒です。幸いなことに、もう一人助手席に座っていた現地の方が、代りに答えてくれました。

旅の恥はかき捨てと言いますが、その時は、せっかく話しかけてくれたのに返答できなかったことに、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。その後、「私は東京から来ました」と伝えたら、笑顔を返してくれ、和やかなムードになったので、どうにか事なきを得ました。一時は肝を冷やしましたが、カタコトながらも、異文化交流の醍醐味を味わうことができたのは収穫でした。東京五輪を控えた今、来日された方が、助手席にいきなり座ってきても、日本のタクシードライバーさん、どうか快く受け入れてください。

異国の文化に合わせてみることも、『おもてなし』の心の一つです。

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タイの乗り物【ソンテウ】

 

この乗り物は、『ソンテウ』といいます。バンコクで見かけることは、まず、ありません。トラックの荷台を客席に改造した乗合バスで、地方でしか走っていないようです。写真は、パタヤで撮影しました。「乗ってく?」というようなニュアンスで、随分と声をかけられたのですが、残念ながらこの愛嬌ある乗り物を利用する機会はありませんでした。

場所は変わり、メークロンという町の『ソンテウ』です。活気にあふれる市場と、その市場のど真ん中を突っ切る列車が売りの町でして、それ目当ての外国人も多く見かけます。私も外国人に違いないのですが、一人で行動している時は、タイ語で話しかけられました。いつもそうなのですが、アジア圏であれば、私は完全に現地の人に染まります。とはいえ、このメークロンでは、興奮してしまい、観光客丸出しになってしまいました。それくらい、魅力的な町なのです。

この乗り物を見た時、ノスタルジックな気持ちになったのですが、よくよく考えると理由がありました。幼少時、トラックの荷台によく乗せてもらっていたのです。私の住んでいた所は、旅館・飲み屋さん・パチンコ屋さんなどが点在する、田舎の中の町でした。そんな雑多な空間を、風を切って進む『ソンテウ』と、私の記憶がリンクしたのです。

『ソンテウ』に限らずですが、タイの乗り物はかなり派手にデコレートされています。建物・衣装などを見ても然りで、彼の地ならではの素敵な文化だと私は思います。今はほとんど見かけませんが、昭和の時代は、日本でもデコトラ(装飾されトラック)が走っていたものです。一番星の桃次郎、やもめのジョナサン、カムチャッカ・・・ついて来れない人も、いるかと思いますので、この辺でやめときます。

 

 

 

 

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タイの乗り物【ゾウさん】

かわいいでしょ?この子は、チャチャイ君と言います。多分。この日は一段と天気がよく、絶好のゾウ日和でした。乗っていると、意外に速足なんだなぁ~と思います。長いコンパスで、水の中にだってズブズブ入ります。あまり見ることがないかもしれませんが、ゾウは口を開けた時が大変に愛らしく、本人にはそのつもりはないのでしょうが、ピンクの口が三日月形になり、何となく笑っているように見えます。

文字通り、道草も食います。この子は、余計なことばっかりするので、ゾウ使いのおじさんが、棒の尖った部分でググ~ッ、ググ~ッと硬い皮膚を押していました。でも、ダメージなしです。他の子はズンズン帰路についているのに、おかまいなしで、ひたすら高い木に鼻を伸ばしてゴソゴソしていました。それはいいのですが、小さい虫だか、葉っぱだかわからない粒状のものが、私の頭頂部や、背中にふりかかってきたのには、プンスカしてしまいました。

この写真だと遠目で分かりづらいのですが、この子はかなり横っ腹がせり出ています。まるで生コンを運ぶミキサー車のようです。そのせいか歩くのが人一倍遅く、最初は私の乗っていたゾウの先を行っていたのですが、いつの間にかビリッケツになっていました。当たり前のことですが、ゾウも一頭一頭、性格も違えば顔だちも違います。何頭かを一緒に見ると、その違いがよく分かり大変に興味深いです。

この子たちこそ、究極のエコカーなのです。

 

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