実践躬行

先日、ある現役のタクシードライバーさんとお話をしました。弊社からの紹介で、企業に入社された方です。乗務してから正味1年位しか経っていないのですが、その方の営業成績は、社内でも常にトップクラスです。

「経験もまだ十分ではないのに、どうして?」と、思われる方もいるかもしれませんが、そういったことは往々にしてあることです。理由として、その方に『逃げ』の姿勢が見られにことが挙げられます。新人だから、あるいは車のランクが低いからといって、自分で決めつけて、行くべきエリアに行かないということがないのです。

これはかなり重要な要素です。その方は、『なか』で動きます。「なぁんだ、そんな当たり前のこと」と、思う方もいるでしょう。法則はいつだってシンプル。ただ、その当たり前のことを、できないのではなくて、やらない方が多いのだと思います。『なか』で動くことは、私が訪問させていただく、ほぼ全ての企業のできる方が言っている鉄則です。ちなみに、『なか』というのは、色んな意味がありますが、ここでは都心のことを言います。

せっかく、日本一忙しくて、日本一利用する方の多いエリアに行けるのに、わざわざ、その『なか』を外して、端の方で動く。できる方にしたら、理解に苦しむと言います。とはいえ、できない方にも言い分があるようで、要は「怖い」んだそうです。わからないでもありません。23区の『なか』は、同じような名称の建物もたくさん在りますし、生き馬の目を抜く東京なんて言われるくらいですから、やさしいお客様ばかりではありません。

ただ、先のドライバーさんは、「だから、やめておこう」という発想が無いのです。発想が無い・・・というのは語弊がありますね、葛藤はあると思います。ですが、それ以上に「だから、なに?」という気持ちの方が強いのだと思います。ある意味で、この仕事は図太さが大切なのではないでしょうか。

ある会社の管理者の方に、稼ぐための秘訣を訊いた時、こんな風に答えていました。「せっかく利用してくださるお客様のいらっしゃる市場があるのですから、そこに行かないで、どこに行くんですか。必要なのは、勇気と勢いですよ」地理の知識などは後からついてくるもの。むしろ、スタートしたばかりの新人さんだからこそ、訊けることもあるでしょうし、「失敗してなんぼ!なにせ新人なんだから」と、よい意味で開き直ることが大切なのではないでしょうか。

先のドライバーさんは、そろそろ黒塗りの車に乗ることができるはずです。最初の頃は、ずいぶんお客様にお叱りを受けたと言っていました。ただ、その方は前向きに捉えるということを忘れませんでした。いえ、新人であることをよい意味で、巧みに利用したと言った方がよいでしょうか。

ある大企業のトップの方が、「素人の発想こそ最強である」という主旨のことを言っていたことを思い出します。経験者は知識や固定観念がストッパーになり、柔軟な発想の妨げになることがあるそうです。片や素人は、知らないだけにそういったものに囚われることがないので、経験者が思いもよらないことをやってのけ、成功するパターンが多々あるということです。

先のドライバーさんも、現在、乗っている車のグレードは正直、あまり良くありませんが、銀座などにどんどん入っていくと言っていました。中には車を選ぶお客様もいらっしゃるでしょう。ただ、タイミングが合えば、利用する方も当然いらっしゃるわけです。固定観念に囚われて、「オレはこんな車だから銀座では・・・」と考えて、逡巡する時間の方を損失と考えるべきではないでしょうか。

「四の五の言わず、まずはやってみよう!」この姿勢が肝要なんだと、各社のトップ・ドライバーさんと話をしていて、つくづく思います。ちなみに先のドライバーさんは、コンスタントに月90万円近くやっています。これ以上の証左があるでしょうか。

 

 

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