コミュニケーション能力

弊社の紹介で入社された方で、埼玉から東京のタクシー会社へ移った方がいます。当初、「東京の地理がわからないので不安です」と、言っていました。23区と一口に言っても、神奈川寄りもあれば、千葉寄りの地域もあります。想像以上に東京は広いです。経験者とはいえ、その方の心配もわからないではありませんでした。

ただし、その方には武器がありました。さて、何でしょう。妖刀村正でも、44マグナムでもありません。それは、謙虚な姿勢と素直な心です。何だ、そんなこと?という声も聞こえてきますが、そんなシンプルなことこそ、この仕事の肝になる部分なのです。これからタクシードライバーを目指す方にとっては、意外に思われるかもしれませんが、告げられた目的地、あるいは道がわからない時、ドライバーさんは、お客さまにお訊きします。よく、「プロ・ドライバーが道を素人に訊くんですか?」と、知らない方には驚かれますが、事実、訊いています。

とはいえ、ただ漫然と『訊く』のでは、お叱りを受けるだけです。肝心なのは、訊き方です。先のドライバーさんの上司の方は、こんなことを言っていました。「あの人は、わからないことは訊いてきます。経験者とはいえ、自信過剰になったりしない。そして、こうした方がよいとアドバイスした時に、素直に聞きいれる謙虚さがある。ああいう人は伸びますよ」

東京の人は、地方の方が思っている以上に親切です。道を教え慣れているということもありますが、ご自分の家や会社までのルートは、当然のことながらよくご存知です。とはいえ、「で、どこ?」的な訊き方をするのは問題外なのは言うまでもありません。告げられた目的地がわからなければ、最初にお詫びします。そして、謙虚な姿勢でお訊きする。お礼も当然、忘れてはいけません。この流れがしっかりできる方でしたら、お客さまは気持ちよく教えてくださるでしょう。

技術や知識は後からついてきます。大切なのは、コミュニケーション能力です。

 

 

 

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