がっぷり四つ

つい最近、アメリカ出身の方が、日本でタクシードライバーになりたいと、弊社にいらっしゃいました。興味を持ってくれたこと自体、嬉しいことですし、その方から熱意を感じたことも嬉しいことでした。一定の条件さえ満たした方であれば、弊社は歓迎します。一定の条件とは、日本の普通自動車免許を取得していること、取得して3年以上経っていること、そして、在留資格があることです。東京五輪も決定した今、観光立国の実現に向けて邁進する日本にとって、正にがっぷり四つで取り組まなければいけない問題です。

先の方は日本での滞在期間も長く、とても礼儀正しい方でした。漢字も含めた日本語の読み書きにも堪能です。私が外国出身で、母国語以外の言語を習得する機会があったとしても、日本語は専攻しないと思います。漢字・平仮名・片仮名の使い分けも難しいですし、『月』という言葉一つとっても、『朧月夜』『下弦の月』など、幾通りもの言葉があります。雅な表現も、日本語の魅力かとは思いますが、習得する側はたまったものではありません。それだけにその方の日本語の読み書き能力の完成度の高さには、頭が下がる思いです。

これから日本でタクシーの仕事をやりたい!という外国の方に、予備知識の一つとして、以下のことをご説明させていただきます。

まず、在留資格のことです。在留資格とは、外国からいらっしゃった方が、日本に在留する間、一定の活動を行うことができる法的資格です。細かく分類しますと・・・

①外交・公用・教授・芸術・報道・投資または経営・法律または会計業務・研究・技術など、一定の範囲内の職種、業種、勤務内容に限って、就労が可能な在留資格。

②文化活動・留学・就学・研修・家族滞在など、収入を伴う就業活動が原則として認められていない在留資格。

③永住者・日本の配偶者等・定住者など、職種、業種を問わず、就労可能な在留資格。

このように3分類28種類に分けて掲げられていまして、外交・公用・永住者以外の在留期間は、在留資格によって分かれますが、最高でも3年とされています。上記①~③に関しましては、更に細かい条件が付帯されています。(ここでは割愛させていただきます)

接客業に照準を絞った場合に、根幹となる大切なことがあります。それは、正しい敬語の使い方です。タクシードライバーの業務に特化すると、それに加えて、リスニング力と、簡潔で的を射た説明能力が必須です。お客様は老若男女、年代、出身地など様々です。何度も聞き返すわけにはいきませんし、目的地を間違えるなど、もっての外です。だからと言って、お訊きすることは悪いことではありません。むしろ、分からない時は必要なことです。大切なことは、その訊き方・・・つまり、コミュニケーション能力ではないでしょうか。

お客様からの指示・ご要望・ご質問にも当意即妙な対応をすることが求められます。そして・・・他の接客業と明らかに違うところがあります。それは、お客様に背を向けている時間が、圧倒的に長いということです。つまり、走行中、お客様のお声が届きにくく、こちらの声も届きにくいということを意味しています。通常の状態より、コミュニケーションがとりにくい空間なのです。

起こりうる、あらゆる状況に臨機応変に対応しなければいけない・・・それが、タクシードライバーという仕事の難しさであり、尊敬に値する要素です。今回、来てくださったアメリカの方は、正直なところ言葉に関しては、まだまだ発展途上の感は否めませんでした。それでも、熱い心と才能がある方なので、卓越した他の能力で補っていただけるものと信じています。日本に興味を持ってくださって、ありがとうございます!と言いたいです。

心に国境はありません。問題は、そこに国境があると思う心の方ではないでしょうか。

 

 

 

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