ロケーション

海外のタクシードライバーさんに地元の名物料理店を訊いて、案内してもらうというTV番組を観ました。興味深かったですね。国によって価値観が違うように、おいしさの基準ももそれぞれで、とんでもなく辛いものを食べて、出演者が悶絶していました。少し気の毒でしたが、地元の方が贔屓にしているような店で食べてこそ、旅の醍醐味を味わえるのではないでしょうか。

とはいえ、お国によって店は慎重に選ばなければいけません。食あたりを起こして散々な目に遭ったという話もよく聞きます。平和ボケしていると言われている日本人は、異国であることをしっかり認識する必要があります。ですが、私はガイドブックに載っているような店ではなく、地元の人が通うような店が大好きです。稀にハズレもありますが、雰囲気を味わうことも重要なファクターだと思うのです。

外国の方と食事をすることが稀にありますが、その時に私が気をつけていることは、先入観に囚われないということです。つまり、相手のニーズが、日本=寿司・天ぷら・スキヤキ!というThis is 日本食だとは勝手に決めつけないとういうこと。外国の方が期待するのは、新たな発見であることの方が多いようです。

以前、香港の方を『おでん屋』さんに案内したことがあります。私の発案ではなく、その方のリクエストでした。好物がラーメンであることを事前に知っていたので、おいしいラーメン店を吟味していた私は拍子抜けしたものです。理由を訊きましたら、「ラーメン店は香港にもある。でも、本格的なおでん屋はない」という回答でした。

リクエスト通り、かなりクラシックな店に案内しました。味も良かったのですが、その方が最も喜ばれたのは、女将が着物に割烹着姿で接客していたことでした。何となく分かる気がします。日本人でも、例えばベトナム料理店で、お店の方がアオザイを着て接客をしてくれたら「本格的~っ!」と、嬉しく思うはずです。料理+ロケーション+キャストの三位一体が重要なわけです。

タクシードライバーさん=おいしい店を知っているという法則があります。現役のタクシードライバーさんに訊きましたら、「そんなことありませんよ」と言っていましたが、そうあってほしいという願望はあります。実際、安くておいしい店を知っているドライバーさんは、いらっしゃいます。

知り合いのタクシードライバーさんに、「もし、外国の方からおまかせで!と言われたら、どこの店を案内します?」と、訊きました。いくつか回答があったのですが、面白いと思ったのが、新宿にある『思い出横丁』です。特定の店というわけではないですが、ロケーションとしては、確かに興味深いと思います。狭く暗い路地に、各店から出てくる煙が立ち込めて、リドリー・スコット監督の作品、『ブレード・ランナー』の劇中に出てくる日本を連想させます。

昔、ハワイに行った際、地元の方御用達のハンバーガー・ショップへ行ったことがあります。出発前、タクシードライバーさんに「知っていますか?」と、確認しましたら、「ボクもよく行くよ」という返事でした。実際に行ったみたら、観光客は少なく、正に地元の人が集う店という雰囲気だったので、感動したことを覚えています。

今度、海外に行った時、現地のタクシードライバーさんにおいしい店を訊くつもりです。言葉が通じず、恥をかくこともありますが、それはそれで旅の醍醐味です。

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