月別アーカイブ: 11月 2014

女性タクシードライバー無名人語録 

前回、女性タクシードライバ-に関する話をさせていただきました。職業の頭に性別をつけること自体、時代遅れも甚だしいですが、まだまだ、男性比率の圧倒的に高い業界です。今後、一層のご活躍をお祈りする意味も含めて、敢えて、女性タクシードライバーの言葉を紹介させていただきます。私が接した人だけではなく、様々なところから情報収集しました。きめ細かい接遇に定評のある女性タクシードライバーならではの言葉をご覧ください。 「そりゃ、怖いですよ。でも、うちの中にいたら、絶対に安全なんですか?」 【知り合いの女性が、「タクシーの仕事って、怖くないんですか?」と訊いた時の回答です。冗談っぽく、そう言ったそうです。確かに、外に出ている職業の方が、アクシデントに巻き込まれる確率は、高いかもしれません。ただ、そのドライバーさんは、『そんなことを言っても始まらないでしょう。新聞の三面記事を見れば、屋内に居たって危険な目に遭う人もいるし、タクシー業務に就いている人だって、何十年も無事故の人もいる。踏み出さなければ、始まりませんよ』ということを伝えたかったのだと思います。考え方一つですね】 「自分がされたら嬉しいことをしているだけです」 【これは、私が客として乗車した際に言われたことです。その日はたまさか体調が悪く、車内でコホンと咳をしてしまいました。間髪を容れず、差し出されたのが、のど飴。感激しましたね。もちろん、のど飴を口中に入れたからといって、体調がすぐに回復するわけではありません。ただ、その気配りが嬉しいですし、私などは岩のように粗い男ですから、感激は一入でした。異性だからどうこうということはありませんが、いかに客の心を掴むかという点では、けだし、ポイントをついている行為かと思います。もっとも、その人は、そんなことは露ほども思っていなかったと思います。そのくらい、ナチュラルな行為でした】 「ワンメーターは宝です」 【この言葉を言った人の営業成績は、営業所中でトップ5に常にランクインしていると聞きました。なにしろ、コツコツと手を抜かずにやるんだそうです。一日の営業収入も、当然のことながら、1回1回の積み重ねです。問題は、どれだけ効率良くできるか。使っている人はいないと信じますが、タクシー業界の隠語で、ワンメーターの客を『ゴミ』と言うんだそうです。こういう人は、ちゃんと実績を出しているのでしょうか】 ここでは、敢えてお客様ではなく、客と言っています。私が利用した際の体験もお話しておりますので、統一してそのように言っているだけです。ご容赦ください。先の例の通り、見ていないところで客のことを悪く言う人に、未来はないと思います。私見ですが、業界そのものを陥れる、救いようのない行為だと思います。とはいえ、人間ですから、腹が立つ時もあります。最後に、あるベテラン・タクシードライバーが言った一言を結びの言葉とさせていただきます。 「確かに困ったお客さまは、いらっしゃいます。ですが、その方がお支払いされる料金の半分は、自分の給料になる・・・そう考えれば腹も立ちませんよ」      

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ハートをがっちり

昨今、一頃より高い頻度で女性タクシードライバーを見かける機会が増えました。そもそも、『女性』とつけること自体、時代遅れもいいところかもしれませんが、まだまだ女性の進出が遅れている分野であることは否めません。 最近、ずいぶん前から女性ドライバーの積極採用を提唱していた、ある方とお話をする機会がありました。まだ圧倒的に男性ドライバーが多かった時代にです。ある会社にその方(以降、Aさんとします)が在籍していた時、代表の方に女性ドライバーの積極使用を進言したそうですが、その時は却下されたそうです。 女性を迎え入れるにあたって、ドレッシングルーム・トイレなど環境整備に時間やコストがかかることも理由の一つですが、それよりも、『女性が就く仕事ではない』という固定観念の方が、厳然としてあったと思います。そのような時代、Aさんは託児所の完備なども視野に入れ、考えていたようです。現在、導入している企業もありますので、正に先見の明があったのでしょうね。 Aさんが、ご自分の考えを実践に移したのは、次の職場ででした。若い女性タクシードライバーが、1人いらしたそうで、その女性(以降、B子さんとします)は、隔日勤務(1日おきの勤務)をしていました。事情があったのでしょう。稼がなければ!と言うB子さんに、Aさんは隔日勤務ではなく、ナイト(夜だけの勤務)をやったらどうかと提案しました。 B子さんは「夜だけなんて・・・」と消極的な様子だったそうですが、「隔日勤務でも、夜はやるでしょう。試しにやってみたら」と勧め、B子さんも納得してスタートしたそうです。ナイト勤務は、『昼とは景色が違うので分かりづらい』『酔客が多いので大変』『暗いので物騒』などの理由が挙げられ、女性なんてとんでもない!という見方が、その時代、一般的だったと聞きます。 しかし、Aさんには考えがありました。以下のことを、意識的に実践するようアドバイスしたそうです。『お化粧をきちんとすること』『服装も女性らしくすること(その会社は、女性の制服が特になかった)』『きめ細やかな接客をすること』です。フェミニストの糾弾を受けそうですが、これにはきちんとした意味があります。 Aさんは、『お客様のニーズに応える』という、接客業のいろはの『い』を実践するにあたって、至極当然のことを提案したに過ぎません。言うまでもなく、タクシー業務は接客業です。『安全に快適にお客様を目的地までご案内する』ことが大切なのは勿論ですが、その中の『快適に』の箇所に照準を合わせた場合、『どれだけ、そのような空間で過ごしていただけるか』という部分が肝になってくるかと思います。 誰が、爪の黒い不潔なドライバーの車に乗りたいでしょう。洋服がほころんでいる、だらしないドライバーと話したいでしょう。そうです。基本中の基本である身だしなみのことを説いているのです。プラス・アルファで、女性であることの特性を活かして、意識して、やってみましょうよということなのだと思います。 『快適な空間』とは、主観的なものです。人それぞれですが、そこに異性(異性でなくてもよいのですが)との楽しいおしゃべり、細やかな気くばりという付加価値が加われば、いかがでしょう。ただの移動ではなく、満ち足りた空間がそこに生まれるのではないでしょうか。 エピソードとして、このようなことがあったそうです。B子さんの接客のファンになったお客様は、友人と乗車した際、B子さんと少しでも話したいがために、ご自分がかなり遠回りになるコースになることも厭わなかったそうです。それも半端な遠回りではありません。県を跨いでのコースです。タクシー業務において、そのことが何を意味するかは、お察しの通りです。 B子さんは、月100万円の売上をコンスタントに上げたそうです。危惧されていた、ナイト勤務のデメリットも特に問題になるようなことはありませんでした。B子さんに、能力や適性があったのかもしれません。ですが、よほど邪な気持ちを持っている人でない限り、男性は女性ドライバーに対して、無理難題をふっかけてきたり、セクハラまがいのことをすることはないと、B子さんは言っていたそうです。何となく分かる気がします。男同士は、売り言葉に買い言葉で・・・なんてことが、往々にしてありますから。 『快適な空間』とは何でしょう。一概に言うことはできませんが、ヒントは自分の中にあるかと思います。自分だったら何が嬉しいだろう?ということです。私は男性ですので、例えば、髪を切ってもらったり、マッサージをしてもらう場合は、異性の方がよいです。あくまで、私の場合はです。スケベ根性丸出しじゃねぇか!と言われたら返す言葉もありませんが、会話もそれに含まれますので、心持ちの問題と言ってもいいかもしれません。 女性タクシードライバーの活躍に関しましては、今さら言うまでもありません。今回は女性にスポットをあてましたが、十人十色です。故事来歴に詳しいご年配のドライバー、語学に堪能な国際派のドライバー、話題が豊富な若いドライバーなど、それぞれの特性を活かしてよいはずです。要は、お客様のハートを掴めるかどうか・・・ですから。      

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グアムのタクシー vo.3

初回で、トミーさんというタクシードライバーさんとのエピソードをご紹介させていただきましたが、もう一人、印象に残るタクシードライバーさんがいました。お名前は聞き忘れてしまったのですが、トミーさんとは違い、少しご年配の方でした。正に『いぶし銀』のような接客をされていたので、最終回に登場していただきたいと思います。   写真は、オンワードビーチリゾートのエントランス前です。ここはビーチも近く、ミクロネシア最大級のウォーターパークがあることでも有名です。私たちもこ の施設を利用しました。水のアクティビティーを楽しみ、移動のためタクシーを手配してもらい、乗り込もうとしたその時、ご年配のドライバーさんが、「ちょっと 待って」という感じで私たちを制しました。 何かと思い訊ねたのですが、どうも服装が気になったらしく、はいているハーフパンツを指さして、「それ、水着じやない?」と、訊いてきました。確かに数十分前までは水着でしたが、濡れねずみのままタクシーを利用することなど、もってのほか、マナーは守ります。「いいえ、いいえ、違います。何なら触ってみてくださいよ」私は自分のハーフパンツの裾を、ドライバーさんに向けました。 「うん、まぁ、兄ちゃんのは大丈夫そうだな」という顔をしたお父さん(そんな感じに見えたので、ここでは親しみを込めてそう呼びます)は、「そっちの彼のはどうだい?」と、他のメンバーのハーフパンツに目を向けました。一人はなぜか裸足でしたが、皆、衣服は濡れてません。「お父さん、大丈夫ですよ。皆、乾いています」ジェスチャーも交えてそう伝え、安心させようとしました。お父さんはニヤリと笑い、首を横に振り、やにわにトランクから毛布のようなものを出して、シートに敷き始めました。   海に囲まれた常夏の島ならではのこと、お父さんにしてみれば、至極、当然のことかもしれません。ただ、次に利用されるお客様のことを考えて、今できる最善のことを仏頂面でなく、笑顔で行うお父さんに私は好感をもちました。人情の機微を敏感に察知し、臨機応変に対応する・・・国は違えど、仕事の肝に国境はないんだと、改めて感じた瞬間でもありました。 私は助手席に座るのが好きです。それは海外でも変わりません。今回もご多分にもれず、お父さんの横に座りました。車内であるものが気になっていたので、どうしても訊いてみたくなりました。私の英語はブロークンにも程がありますが、思ったことは訊かずにはいられません。気になるものとは・・・これです。 お守りです。日本のものを大切にしてくれている気持ちが嬉しく、「これは日本のお守りですよ」と伝えました。お父さんは、当然、知っていたと思いますが、そこは優しさで、「本当?日本人のお客さんがプレゼントしてくれたんだよ」と返してくれました。「知ってるよ」という答えだったら、そこで会話は終わってしまいます。 それは、お守りの贈り主と同じ日本人の気持ちを尊重してくれたことに他なりません。この辺りが、『いぶし銀』の接客だと思います。独断ではありますが、グアム滞在中・最優秀タクシードライバーとして、トミーさんと共にダブル受賞していただきたいと思います。 東京オリンピックを控えた今、きめ細かい接客に定評のある日本のタクシードライバーが、真骨頂を発揮する時だと思います。  

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グアムのタクシー vo.2

前回はグアムのタクシーの基本情報と、今取材時の最優秀ドライバーといってよい、トミーさんの話をしました。世界中のどこにでもあるタクシーですが、所変われば何とやらで、国によって料金、接客に違いがあることは、大変に興味深いことです。さほど、渡航経験があるわけではありませんが、いくつかの国を訪問し、その国のタクシーを利用して思ったことがあります。あくまで私見ですが、日本のタクシーは、車の手入れが行き届いているということです。   誤解しないでいただきたいのは、グアムのタクシーが、そうではないと言っているのではありません。むしろ、きれいに手入れされている方だと思います。次に乗車されるお客様のことを思い、シートのことを殊更に気にかけるなど、きめ細かい接客を心がけるドライバーさんもいました。(次回で紹介予定)このようなことは、海外では決して当たり前のことではないと思います。ですが、日本ではあまり見かけない、あるものを見つけてしまいました。それは・・・               これです。実際、海外ではよく見かける光景です。日本の専売特許のように言われている「モッタイナイ」を実践し、経費削減のためにやっているんだと言われたら、返す言葉はないのですが、恐らくは見てくれは二の次なのでしょう。ここのところは、日本のタクシーは、胸を張ってよいのではないでしょうか。 『お客様は、時間を買ってくださっている』というのは、私の尊敬するタクシードライバーの言葉ですが、であるならば、『手入れの行き届いた車に乗っている』という気分のよさも、ある意味でお客様は買ってくださっていると思います。 ただ、今回の滞在中、接客で嫌な思いをしたことは皆無でした。そこは、とても重要だと思います。見てくれどうこうは、各々の国の考え方の違いですし、そこも含めて、異文化に触れることを楽しめばよいのではないでしょうか。ただ、それが安全性に関わることであった場合、話は別です。そこのところは、生命線でもあります。 次回は、一人のタクシードライバーさんにスポットを当てます。            

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