月別アーカイブ: 2月 2014

団体戦

前回、転職をするにあたって、どうか自信を持ってくださいということを言いました。人生のご同輩、先輩諸氏にエールを送る意味もあったのですが、タイムリーな出来事がありました。ソチ・オリンピックで41歳にして銀メダルの快挙を成し遂げた葛西選手の活躍です。男子ジャンプ団体でも、日本が16年ぶりにメダルを獲得しましたので、喜びもまた一入です。もちろん、葛西選手個人の活躍にも賛辞を送りたいのですが、今回は、年齢もキャリアも違う仲間と共に挑んだ団体戦で、成果を挙げたことに拍手を送りたいのです。 ある意味で、企業は団体戦を行っているようなものです。会社の規模の大小にかかわらず、それぞれの社員が運命共同体となって、勝ち上がることを旗印に毎日、奮闘しているはずです。性別、年齢、キャリアも違えば、当然、立場も違います。多少の差異こそあれ、『皆が幸せ』になるためという共通の動機があり、それに向かって邁進しています。 「皆ではなく、自分の幸せにためにでしょ?」という意見もあるかと思いますが、団体戦である以上、自分だけではなく、それぞれの足並みが揃わなくてはいけない場面がでてくるのは必定といえます。とはいえ、そのような一枚岩体制であるからといって、考えや意見が同じでなければいけないはずはなく、実際、違いがあるからこそ、濾過され、磨かれていくものもあるかと思います。 ジェネレーションギャップという言葉があります。【世代の差。価値観の違いから生じる世代間の断絶】という意味ですが、生きてきた時代が違う以上、世代の差はあって当然だと思います。ただし、世代間の断絶・・・これがあることが、問題だと思うのです。差はあったとしても、絶たれてはいけないのではないでしょうか。 個人の意見を言わせていただくと、私はあまり年齢を信じておりません。『年寄りの言うことは、聞くもんだ』と、言われますが、年輪を重ねてきた方が、間違ったことを言わないとは限りません。逆に「若いからダメ」という考え方の方に抵抗を感じます。『尊敬の対象に年齢関係なし』というのが、昔からの私の考えです。 タクシー業界もそうです。少し前までタクシー業務は、ご年配の方がやるものという固定観念を持っている人が多かったはずです。実際、社会経験を活かせるという意味において、多くの方と接するこの職業は、数多ある中でその筆頭かと思います。ただ、イコール「若い人は無理」という考え方は、了見が狭いと言わざるをえません。 こんな話があります。20代前半でタクシードライバーになった方がいらっしゃいました。最初は周りの方から「もっと他の仕事があるだろう」「年をとってからでも出来る仕事じゃないか」と、随分反対されたそうです。ですが、その方には「この仕事で食べていきたい」という確固たる信念がありました。「どうしてそこまで思われたんですか?」と尋ねましたら、「社会人になった以上、多くの人とふれあいたいと思ったんです。もちろん、他の仕事でもできますが、僕は不特定多数の方と近い距離でふれあいたかった。考えて、タクシーだと思ったんです」との回答でした。ここでこの方が言う近い距離とは、物理的な距離ではなく、心の距離も含まれています。 そう思ってから10年が経ち、まだタクシードライバーという仕事を続けていらっしゃるこの方に、どのような心の変化が見られたのでしょう。「この仕事をやっていて、よかったなぁと思えるのはどんな時ですか?」と、お聞きしましたら、「お金をもらって言うのも何ですが、お客様から育ててもらった気がします。未熟だった頃は、お客様に随分とお叱りを受けました。でも、ご一緒に喜びを分かち合う機会があったり、時にはこちらがもらい泣きすることもあったり、タクシーの仕事でなければ、ここまで僕に心を許してくれたのかなぁ・・・と思うことが、かなりあったように思います」というお答えでした。 もちろん、全ての方に当てはまることではないかもしれませんが、その方は最後にこう付け加えました。「僕は環境に恵まれていました。普段、乗務中は一人ですけど、営業所にいる時は、仲間と会うわけです。その時の情報交換の機会が最高に楽しいんです。どのルートがいいとか、どこが工事中だとか。普段は孤独なだけに、尚更その短い時間に強い連帯感を感じるんです。それと、僕の場合は野球部に入っていますから、それも楽しいことの一つですね」 正に仕事は団体戦です。タクシードライバーの仕事は一匹狼的な要素が強いと思われている方も多いと思います。とはいえ、スキージャンプと同じで、記録(売上)は各々のものですが、互いに切磋琢磨してこそ、全体が活きる瞬間があるはずです。 弊社の仕事も一緒です。日常、やっていることは皆違いますし、世代間で言えば、お年寄りが約1名含まれています。もっとも、本人は言うほど、自分がジイさんだとは思っていません。そんな往生際の悪い人がいながらも、絶妙なバランスで、一枚岩となっているはずです。ただ、もう少しそのお年寄りが頑張らないといけません。もっともっと、新しい知識を吸収していかないと、取り残されてしまいます。随分、ひどいことを言うなぁ~と思われるかもしれませんが、自分のことだからよいのです。    

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人生、まだまだですよ

興味深いニュースがあります。『35歳を過ぎると、転職の選択肢は一気に狭まるという定説が崩れつつある』という内容です。ある企業の調査で、、転職成功者に占める35歳以上の割合がこの5年で一気に2倍以上になったことが分かったそうです。もちろん、職種にもよるのでしょうが、一つ言えることは、一定のキャリアを積んできた即戦力、そういう人材は結果として、40代前後に多いということです。(もちろん、それより上の年代も) 仕事柄、多くの年代の方と接している私としては、『この年だから、もうダメだな』という『決めつけ』をいちばんの悪とします。確かに、考えてしまうのも無理はありません。これに関しては、日本の旧来の雇用システムの弊害もあるでしょう。先の35歳を過ぎたら云々という例の線引きです。 固定観念に縛られて、人生の岐路の旬を逃さないでいただきたいと、切に願います。殊にタクシーの仕事は、社会経験を積んでいる人こそ、それが活かされる仕事です。お客様は、性別・年代など様々です。ドライバーさんと同じ年代の人もいるでしょうし、かつてと同じ職業に就いていた人もいるかもしれません。予測不可能なところが、難しいところであり、楽しいところでもあります。 多くの引き出しを持っている方は強いです。『当意即妙』という言葉があります。【すばやくその場面に適応して機転をきかすこと】という意味ですが、これが出来る人は、タクシー業務に適していると思いますし、ご自身もやっていて楽しいと思うはずです。 私の知り合いのドライバーさんで、歴史の好きな人がいます。古地図と言うのでしょうか、昔の地図を駆使して、東京都内の旧跡・故事来歴を調べています。そんな人の車に、共通の趣味を持つ人が乗ったらどうなるでしょう。楽しくないはずがありません。特段、興味のない方でも、今、自分の通っている場所が、教科書に載っているような偉人に縁のある場所であったと説明を受けたとしたら、どうでしょう。夢があるのではないでしょうか。 『痒いところに手が届く』接客は素敵です。その人の経験と個性が最大限に活かせる仕事があるとしたら、それは素晴らしいことではないでしょうか。 私もとうに不惑を超えておりますが、滅多なことでは怒らなくなりました。最近、怒ったことと言えば、私の留守中に皆でカステラを食べていたことを咎めたことくらいです。普段は自分で言うのも何ですが、温厚が服を着ているような人間です。もちろん、個人差はあるでしょうが、ある程度、社会経験を積んだ人は、鷹揚に構えることができるのではないでしょうか。 このことは、タクシー業務に限らず、円滑な人間関係の構築が不可欠な職種、全てに必要な要素だと思います。年齢で線を引くところは、引かせておけばよいのです。その人の人柄と個性を尊重してくれるところに行けばいい話。人生のご同輩、先輩諸氏、どうぞ勇気と自信を持っていただきたいと思います。 活かす場があれば、人は活きます。  

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