月別アーカイブ: 11月 2013

異文化交流

シリーズで、タイのタクシーのことを話しました。普段とは違う世界に身を置く、またはそこに生きる人と接することで、自らを俯瞰して見ることの出来る貴重な体験だったと思います。 私は特に、『外国人と日本人の思考と習慣の違い』に興味があります。最近見たTV番組で、ある国の国民性として、気さくで会話好きであるということを取り上げていました。ご近所の方との立ち話に相当数の時間をかけたり、タクシードライバーさんが話好きだったりと、かなり興味深い内容でした。日本から嫁がれた奥様が、困惑している様子をカメラは映していましたが、むっつりしている国民性よりは、はるかにいいと個人的には思います。 その国のタクシードライバーさんの映像で、興味深かったのは、お客様がご自分一人にもかかわらず、助手席に座っていたことです。インタビューでも、「いつも助手席に座るよ。その方が話しやすいからね」と、言っていました。ドライバーさんと話をすることが前提なのですね。 以前、読んだ本の中にも、奥様と二人でインドに旅行に行った方が、自分だけ「お前はここだ」というニュアンスで助手席に座ることを勧められ、憤慨したということが書いてありました。後にドライバーさんのフレンドシップの表れであることが分かり、その文化の違いに驚いた様子でした。 日本では後部座席が満席で座れない、あるいは目上の方と隣席しないようにという理由以外で、助手席に座ることは、まず無いのではないでしょうか。私自身はタクシーを利用した際、助手席に座る派です。もちろん、一人の時は座りません。ですが、複数の時は後輩と同乗する時も率先して助手席に座ることがあります。理由は、ドライバーさんとコミュニケーションをとりたいからです。 仕事柄もあります。私の仕事は、タクシードライバーを目指す、または業界内で転職する方にタクシー会社を紹介することです。頻繁に企業訪問し、情報収集はしていますが、最前線で働いている方に話を聞かずに、説得力のある説明はできないと思っています。後部座席より助手席は、物理的な距離より、心の距離が近いような気がするのです。それは海外でも変わりません。 私は海外へ行く際、現地の言葉をある程度覚えていく習慣があります。『郷に入っては郷に従え』で、その国の方に敬意を払いたいというのが理由です。色んな場所で自分の言葉が通じるか否かを試すのですが、とりわけ、現地の方の息吹を感じられるという点で、タクシードライバーさんを話し相手にするのがベストだと考えています。 タイでは現地の方の乗車率90%の乗合ワゴン車で、助手席に座りました。約1時間の行程でしたが、車内のタイ人密度の高さからいって、その緊張感たるや通常タクシーの比ではありませんでした。しかも、 案の定、ドライバーさんがラジオで曲をかけた時、何やら話しかけてきました。「この曲、いいよね」的な響きでしたが、恥ずかしいことに私は即答できませんでした。簡単な言葉で意思を伝えることはできましたが、何を言われたのかが分かりません。これでは、本末転倒です。幸いなことに、もう一人助手席に座っていた現地の方が、代りに答えてくれました。 旅の恥はかき捨てと言いますが、その時は、せっかく話しかけてくれたのに返答できなかったことに、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。その後、「私は東京から来ました」と伝えたら、笑顔を返してくれ、和やかなムードになったので、どうにか事なきを得ました。一時は肝を冷やしましたが、カタコトながらも、異文化交流の醍醐味を味わうことができたのは収穫でした。東京五輪を控えた今、来日された方が、助手席にいきなり座ってきても、日本のタクシードライバーさん、どうか快く受け入れてください。 異国の文化に合わせてみることも、『おもてなし』の心の一つです。

カテゴリー: タクシー | コメントをどうぞ

タイの乗り物【ソンテウ】

  この乗り物は、『ソンテウ』といいます。バンコクで見かけることは、まず、ありません。トラックの荷台を客席に改造した乗合バスで、地方でしか走っていないようです。写真は、パタヤで撮影しました。「乗ってく?」というようなニュアンスで、随分と声をかけられたのですが、残念ながらこの愛嬌ある乗り物を利用する機会はありませんでした。 場所は変わり、メークロンという町の『ソンテウ』です。活気にあふれる市場と、その市場のど真ん中を突っ切る列車が売りの町でして、それ目当ての外国人も多く見かけます。私も外国人に違いないのですが、一人で行動している時は、タイ語で話しかけられました。いつもそうなのですが、アジア圏であれば、私は完全に現地の人に染まります。とはいえ、このメークロンでは、興奮してしまい、観光客丸出しになってしまいました。それくらい、魅力的な町なのです。 この乗り物を見た時、ノスタルジックな気持ちになったのですが、よくよく考えると理由がありました。幼少時、トラックの荷台によく乗せてもらっていたのです。私の住んでいた所は、旅館・飲み屋さん・パチンコ屋さんなどが点在する、田舎の中の町でした。そんな雑多な空間を、風を切って進む『ソンテウ』と、私の記憶がリンクしたのです。 『ソンテウ』に限らずですが、タイの乗り物はかなり派手にデコレートされています。建物・衣装などを見ても然りで、彼の地ならではの素敵な文化だと私は思います。今はほとんど見かけませんが、昭和の時代は、日本でもデコトラ(装飾されトラック)が走っていたものです。一番星の桃次郎、やもめのジョナサン、カムチャッカ・・・ついて来れない人も、いるかと思いますので、この辺でやめときます。        

カテゴリー: タクシー | コメントをどうぞ

タイの乗り物【ゾウさん】

かわいいでしょ?この子は、チャチャイ君と言います。多分。この日は一段と天気がよく、絶好のゾウ日和でした。乗っていると、意外に速足なんだなぁ~と思います。長いコンパスで、水の中にだってズブズブ入ります。あまり見ることがないかもしれませんが、ゾウは口を開けた時が大変に愛らしく、本人にはそのつもりはないのでしょうが、ピンクの口が三日月形になり、何となく笑っているように見えます。 文字通り、道草も食います。この子は、余計なことばっかりするので、ゾウ使いのおじさんが、棒の尖った部分でググ~ッ、ググ~ッと硬い皮膚を押していました。でも、ダメージなしです。他の子はズンズン帰路についているのに、おかまいなしで、ひたすら高い木に鼻を伸ばしてゴソゴソしていました。それはいいのですが、小さい虫だか、葉っぱだかわからない粒状のものが、私の頭頂部や、背中にふりかかってきたのには、プンスカしてしまいました。 この写真だと遠目で分かりづらいのですが、この子はかなり横っ腹がせり出ています。まるで生コンを運ぶミキサー車のようです。そのせいか歩くのが人一倍遅く、最初は私の乗っていたゾウの先を行っていたのですが、いつの間にかビリッケツになっていました。当たり前のことですが、ゾウも一頭一頭、性格も違えば顔だちも違います。何頭かを一緒に見ると、その違いがよく分かり大変に興味深いです。 この子たちこそ、究極のエコカーなのです。  

カテゴリー: タクシー | コメントをどうぞ

タイの乗り物【トゥクトゥク】

  前回、タイのタクシーと比較して、日本のタクシーの誠実さを殊更に賛美しましたが、旅情を満喫できるという点において、この屋根付き三輪の乗り物には敵わないかもしれません。皆さんも一度は耳にされたことがお有りかと思います。 『トゥクトゥク』 私は言葉の響きを気にする性質でして、『トゥクトゥク』は、口に出して言いたくなる語感があります。『トゥク』だけでも軽快な響きなのに、それをリピートするわけですから、黙ってはいられません。 日本語で同じような言葉があるでしょうか。 『つんく♂つんく♂』 キョンキョンのようには言いませんね。それだけに『トゥクトゥク』は、外国語として大変に貴重な言葉です。私にとっては。   その『トゥクトゥク』ですが、熱帯性のタイの気候を一時、忘れてしまう位、 風が心地よく、周りを遮断するものが何も無い簡易な造りがスリリングです。定員は、およそ3名。料金は、ドライバーさんとの交渉次第。バイクほどではありませんが、渋滞をすり抜け、細い路地まで入っていくフットワークの軽さが利点です。 私たちがタイに行った時期は、ちょうどグリーン・シーズン(雨期)にあたっていたため、時折、夕立のような激しい雨に遭いました。しかも、初日は雷雨。その日に初めて、『トゥクトゥク』を利用したのですが、その前に少し落ち込むことがあり、珍しく旅先で消極的になっていた私は、これに乗ってホテルまで戻ろうという人の言葉に、否定的な意見を述べました。渋りながらも発車した直後、すぐに謝りたくなりました。風が、心地よかったのです。   そんな味のある『トゥクトゥク』ですが、どうやら減少傾向にあるようです。新規許可が下りなくなったと聞きます。今回、ある程度の人数分をチャーターし、目的地に向かったのですが、途中、レースのようになり、不謹慎とは思いますが、興奮してしまいました。日本では、到底こんなことは叶いません。彼の地ならではの、この軽快な乗り物を残してほしいような気もします。まぁ、これは旅行者の勝手な意見です。そのお国には、そのお国の様々な事情があるかと思います。 個人的には、この素敵な乗り物が大好きです。  

カテゴリー: タクシー | コメントをどうぞ